この人に聞きたい:第747回
(週刊冷食タイムス:20/08/04号)
確実に成長させ確実に収益確保
日本水産(株) 取締役執行役員 食品事業執行 梅田 浩二氏
(うめだ・こうじ)昭和58年入社。大阪支社冷食課長、広島支社長、常温食品事業部長、福岡支社長、首都圏家庭用営業部長から平成28年執役広域営業本部長。今年3月食品事業執行、同6月取締役。昭和36年2月北九州市生まれ、同志社大経卒。
冷食で市場bP商品増やす
代表専務COOに昇格した浜田晋吾氏の後任として3月食品事業執行に就き、生産部門管掌を兼務。入社以来常温、冷食に携わり、広域営業本部が長い。冷食の可能性は大きい、と語る。
――広域営業本部の勤務が長く同本部長から食品事業執行に。
梅田 広域営業本部は大きなマーケットを抱え、社内にも影響力がある部署、それだけやりがいもある。私が担当していた間に売上げが1千億円を超えた。これは当社にとって大きなことであり、私の人生の中でも満足できること。しかし担当エリアは日本最大の市場であり、1千億円からさらに大きくできると思っています。
――前期の食品事業の総括。
梅田 家庭用冷食、業務用、練り・ソー、常温ともうまくいった。他に比べれば常温はやや苦戦したが、特に家庭冷食、業務用、練り・ソーはいい結果を残しました。
――このままいけば、という時期にコロナが水を差した。
梅田 グチを言えば切りがないが、前向きに捉えた課題としては冷凍食品で市場bP商品をもっと育てたい。ちゃんぽん、自然解凍弁当商材、焼きおにぎりなど既にトップに位置する商品はありますが、その数を広げたい。そのために新たな試みを進めていますが、秋の新製品では出すことに制限があった。ここは我慢のしどころ。春の新製品も充分にはアピールしていない。折を見て、提案不足を解消し、ちゃんと魅力を伝えたい。
――「食品事業執行」として社内に訴えていることは。
梅田 両輪のひとつの水産は養殖や海外調達、グローバルリスクを常に抱えている。食品はそうしたリスクが少ない分、堅調で着実に成長させ、確実に収益を確保すること、これが求められます。
――収益改善のポイントは。
梅田 コロナ以前に原料資材の調達や人件費、物流費アップは避けられない。そこで生産性を高めるとともに、販売コストをコントロールしながら改善策を模索します。そのためにも生産と販売のコミュニケーションを密にし、儲かる仕組みを双方で考えます。
――工場再編について。
梅田 全て自社・グループでやろうとするとリスクが伴う。得意不得意、技術力等を勘案しながら外部の力も加えて取り組みます。工場の老朽化が進み、これが最大の課題。検討を進めます。
――日水の食品の強さ弱さは。
梅田 水産加工を得意としながらも焼きおにぎり、自然解凍、枝豆など水産以外に広げるのは得意。もっと幅を広げたい。開発力、技術的知見、調達力などを生かし、市場拡大に貢献したい。