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業界交差点

この人に聞きたい:第757回
(週刊冷食タイムス:20/10/20号)

メニュー単価アップへ

(株)ヤグチ 代表取締役社長  栗栖 信也氏

(くりす・しんや)1983年4月入社。2012年8月現職。1953年10月生まれ67歳。和歌山出身。早大文学部卒。「最近は時代小説を読むことが多いが、ドストエフスキー『悪霊』とか古典も読み返したい」。健康法はウォーキング。

商品提案で取引先に貢献

 ヤグチの栗栖信也社長は「コロナ禍で浮き足立ってはいけない」と自戒する。社訓を肝に銘じ、基本を徹底し活路を見出す意気込みを示した。

 ――コロナ禍の影響は。
 栗栖 あります。前5月期決算は約10%減で700億円と減収となりました。今期6〜8月の第1四半期決算は約20%減です。外食や宿泊、娯楽施設など、人の動きがあってこその商売が軒並み厳しく、当社も大きな影響を受けました。西日本より、特に首都圏と観光地が大きく落ち込んでいます。当社見本市は春に続き、秋開催も見送りました。

 ――厳しい状況が続くはず。
 栗栖 その中でいかに売上げ確保を図るかが肝心になります。外食店はテイクアウトや弁当販売で売上げを補っても従来通りの売上げ確保が難しい。イートインも三密を避けねばならず、客席数を総じて7割程度に減らしています。

 ――売上げが3割は下がる。
 栗栖 客単価を上げる工夫を行うことで、自然減なら3割マイナスになるところを2割減程度に抑え込んでいる外食店があります。メニュー単価をどう上げるかがポイントです。そのためにも当社は商品提案や情報提供で取引先に貢献します。

 ――集客が多い外食店もある。
 栗栖 外食店といっても様々です。コロナ禍でテレワークが増えたことなどから、住宅街に近い店が堅調で、近所の焼き肉店とかラーメン店等で以前より繁盛しているところもあるようです。

 ――外食ルート以外の動きは。
 栗栖 給食、病院、老健などは比較的堅調です。シルバー市場は伸び続けるとみています。

 ――外食卸がシルバー市場掘り起こしに力を入れる動きがある。
 栗栖 値段だけの交渉ではないため、なかなか難しい面があるはず。老健施設側からみれば、取引先を切り替える必要があるのかどうか、コロナ禍ではなおさら慎重になるでしょう。商品構成から物流方法まで異なりますし、障壁は高いかもしれません。それでも挑み続ける卸に、当社は商品・情報提供で貢献します。

 ――通期の売上げ見通しは。
 栗栖 しばらくは見通しが立たない状況が続くと考えています。当社は今年創業75周年になります。このような市場環境であるからこそ、社訓「得意先に愛される仕事をしよう、仕入先に信頼される仕事をしよう、社会に貢献できる仕事をしよう、共に幸楽共生できる仕事をしよう」をしっかりと肚に銘じ、その具現化に向け、社員一同まい進していきます。

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