この人に聞きたい:第760回
(週刊冷食タイムス:20/11/10号)
国内ビーフン2億食市場へ
ケンミン食品(株) 代表取締役社長 高村 祐輝氏
(たかむら・ゆうき)関西学院大学卒後、2005年京セラ入社。08年ケンミン食品に転籍、11年ビーフン基幹工場のタイ工場に赴任。15年取締役に就き管理部門・外食事業管掌。17年常務取締役を経て、19年から現職。1982年(昭和57年)神戸出身、今年38歳。
めざすはオンリーワン企業
ビーフン市場で国内60%のシェアを誇るケンミン食品、高村祐輝社長は「ビーフンと春雨では他社に負けない技術力を持ち必要とされる企業であり続けたい」と熱く語る。
――海外進出は考えている?
高村 今年1月からアメリカ市場での販売を開始しました。アメリカは他の食品会社の海外流通販売網を活用して貿易をスタート。ドバイや香港、シンガポールへの輸出も少しずつ始めています。
――どの位の規模を予測する。
高村 海外向けの焼ビーフン「KENMIN Yaki Be-fun」を中心に10年後1500万食売りたい。生産は基幹工場のタイ工場を活用します。タイは現状2ラインですが、11月に第3ラインを導入しテスト生産を開始。タイ工場は冷凍ではなくドライビーフン。
――会社としてめざすのは。
高村 オンリーワン企業です。ビーフンと春雨では他社に負けない技術力を持ち、必要とされる企業でありたい。烏龍茶を中国で資本100%の工場で開発・加工しているのも当社だけです。企業価値をさらにあげるためには「ケンミン食品は良い商品を作る」と感じてもらうことが大事。70年作り続けてきたビーフンで、「新しいおいしさ・楽しさ・便利さ」を伝えることが私の任務。
――ミシュラン三ツ星「祇園さゝ木」の佐々木浩シェフが考案したオリジナルのビーフン特別レシピを紹介している。
高村 今年、当社の70周年記念事業として企画した「ビーフンPower Sessionプロジェクト」の第1弾。佐々木シェフにビーフンの固定概念を覆す、私たちには思いつかない画期的なビーフンメニューを考案していただいた。ビーフンの特長や価値を発掘し、かつ新たな可能性を発信していきたい。今後「LaKanro」の仲嶺淳一シェフら8名前後とセッションする予定です。
――神戸本社の他、東京・名古屋・関西・広島・九州の5支店、東北と北海道は空白だ。
高村 ビーフンの消費は「西高東低」型です。最近は東日本での喫食率も上昇しており、特に関東圏の伸び率が大きい。西60%、東40%の喫食率を、早期に5対5にしたい。実は仙台と北海道に担当社員を置きカバーしています。70周年プロジェクト「47都道府ケンミン焼ビーフン」の第1弾は千葉県で大好評のうちに完売、第2弾は宮崎県の特産品を使った焼ビーフンを準備中です。
――年間1億食の日本のビーフン市場、どこまで拡大する。
高村 10年後の2030年までに2億食市場をめざします。