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この人に聞きたい:第767回
(週刊冷食タイムス:21/01/05号)

ニューノーマルは定着する

(株)日本アクセス 代表取締役社長  佐々木 淳一氏

 

売上げ90%で利益でる体質つくる

 日本アクセスの佐々木淳一社長は本紙インタビューで今年の取り組み等を次の通り示した。
      ◇
 コロナ禍で雇用者数が減り、残業時間が減り、可処分所得が減る。価格志向が鮮明に出てくるはず。1日3食を食べることを考えると食品は一番影響が大きい。少しでも安いものを買ったり、1品減らしたりといった生活者の行動が出てくる。今年の消費環境は厳しくなる。業態を超えた競争が激化し、また低価格を武器にした小売業が強みを増すことが考えられる。

アワードで売場を活性化

 2〜3月はコロナの感染で巣ごもり需要が跳ねたウラ年で、売上げは90%程度が見込まれる。メーカーの力を借りながら、小売りの売上げ拡大に貢献したい。売上げ拡大策のひとつとして、冷凍食品・アイスクリームの人気を競う「フローズン・アワード」のグランプリ・上位商品販促企画を1月から行う。約5千店にPOP・チラシ等で宣伝し売場活性化につなげる。
 ニューノーマルは定着すると考えている。コロナ禍で状況が変わった中で見えてきた課題がある。課題を先送りせず、できるところから対応していく。売上げ90%で利益が上がる体質、ビジネスモデルを作ることが課題のひとつ。CVSの来客数が従来比90%でも収益が出るようなビジネスモデルを作らなければならない。外食についても、客足が中々戻らない前提で今後の取り組みを考える必要がある。巣ごもり需要で伸びたスーパー、量販、Drgをコロナ後も安定したビジネスにすることも課題。
 上期は増収減益だった。コロナ禍で業態により好不調の明暗が分かれた。スーパー、GMSの食品売場、ドラッグストア、ディスカウントストアは好調。110%を超える小売業もある。逆に苦戦したのは外食チェーン。4〜6月が特に厳しく、少しずつ回復したがまだ90%以下の店もある。CVSもコロナ禍で苦戦している。特にオフィス街の店舗が来客数減で大幅に売上げが減少している。ロジスティクス事業も手掛けているが、荷物量が減っても固定費は変わらない。CVS物流受託事業は減益となった。また4月末に仙台岩沼物流センターで火災事故が起き、特別損が17億円程発生した。保険給付を受けたものの、横持ち費用が発生した。

Eコマース専用拠点構想

 当社センターは約500あるが、大半はリアル店舗の品物で一杯。徐々にEコマースの品物の割合が高まることでオンラインとオフラインの融合を図る。どのセンターも20%程度はEコマース用のカーゴがあるのが理想的。そういう時代がくる。ロジとウェブマーケティングのノウハウを蓄積し、社内外の人材を活用、Eコマースを勉強しつつノウハウを蓄積していく。
 将来は500あるセンターに加え、必要に応じEコマースの専用センターをつくることも視野に入れる。首都圏または近畿圏となると、使い勝手がよいのは専用センター。そのためにはEコマースで採算の取れる水準まで引き上げる必要がある。

BtoBtoC売上げ増図る

 スマイルスプーン(ネット店舗の屋号)を2018年に立ち上げた。2019年1月にアマゾンマーケットプレイスに出店。2020年6月に楽天、10月からヤフーにも出店した。当社倉庫に保管し、ラストワンマイルはヤマト運輸に委託しフローズンとドライ商品を消費者に届けている。BtoCは3社合わせると月商1億円程度。これを採算が取れる水準にしたい。
 最近では今まで食品を取り扱っていなかった他業種も食品を取り扱い始めた。当社は低温食品を供給するBtoBtoCで、複数の顧客から評価いただいている。ECサイトを当社が手掛けるのではなく、ECサイトを持っている他業種のセンターに低温食品を当社が供給することなどを手掛けていきたい。BtoBtoC売上げ大幅拡大をめざす。BtoC、BtoBtoCの2本立ててEコマース事業を拡大する。

フローズンマザー具現化

 関東フローズンマザー物流センターの試験運営を11月からさいたま市岩槻区の営業倉庫で開始した。10メーカーにご協力いただき@取引先メーカーの営業倉庫に対する寄託在庫料削減A受発注集約で業務効率化推進B納品車両集約による物流費削減Cパレット運用による荷降ろし時間短縮と待機時間解消効果の有無を検証していく。
 当社のマザーデポから各支店のセンターまで当社がパレットを使って運ぶので物流効率が上がる。積載量も上がるとコストダウンになる。こうしたメリットを提示している。半年経過すれば課題などをしっかりと検証できる。首都圏の検証結果をみて、ゴーサインが出れば次の段階で本稼働に向けマザーセンターをつくる計画だ。
 マザーセンターはフローズンが軌道に乗れば、次にはチルドも手掛けたい。チルドこそ当社の一番強いところ。チルドを含めたマザーセンターが立ち上がると競争力が高まる。チルドはもう少し時間をかけて準備する。チルドもFS(実行可能性調査)を行う。

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