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この人に聞きたい:第774回
(週刊水産タイムス:21/02/22号)

重要管理項目に焦点を

(株)HACCPジャパン 専務取締役 東日本統括マネージャー  
林 弘樹氏

(はやし・ひろき)1985年埼玉県生まれ、立教大学経済学部卒業。大手コールセンターの運営やアプリ開発に携わった後、創業メンバーとしてHACCPジャパンに参画。現在に至る。別会社で飲食店の経営も行う。

 ウィズコロナをどう生きるべきか。衛生管理の専門家、飲食店経営者としての考えを聞いた。

 ――今後、食品事業者はどう対応すべきか
 新型コロナウイルスへの有効な対応策が明確でない中で判断が難しいとは思うが、徹底すべき衛生管理項目とそうでないものを見極め、的確に実行していくことが重要と考える。
 飲食店でテーブルや席の間をパーテーションで区切っている光景をよく見かけるが、飛沫の飛散方向などが考慮されておらず、見かけ倒しの対策となるケースも多い。
 そのため、効果がある程度立証されている「除菌対応」にコスト・労力を割くべきではないか。除菌剤を噴霧して拡散する空間除菌であれば室内全体を効果的に除菌することが可能となり、無駄な労力も抑えることができる。
 菌が繁殖しやすい箇所の除菌を徹底することも有効といえる。例えばトイレの使用前・使用後は手だけでなく、靴裏の除菌も行うなど、危険箇所の対策に力を入れた方がよい。
 横浜港停泊中に集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の船内環境調査では使用頻度の高い枕やテレビのリモコンに加え、トイレの床からも高い頻度でウイルスの遺伝子が検出された。
 家庭内感染対策を今一度引き締めることも大切となる。昨年から国内で感染が拡大し、1年以上が経過。第三者の目が届かない家庭で気が緩むのも無理はないが、従業員の家族分の除菌スプレーを配布するなど注意喚起を図るべき。

事業の幅を広く

 また、飲食店経営者としての立場から意見させていただくと、このような不測の事態に備え、新たな事業や販路を開拓しておく必要があると強く思う。私の飲食店でもEC販売を視野に入れた商品開発を進めている。重要なのは今保有するリソースを有効活用し、負担がかからない事業展開を行うこと。
 全くの新天地に挑む必要はなく、同業他社が行っている成功例を模倣するか、知り合いの流通業者に相談するなど、はじめの一歩は小さくてもかまわない。事業の幅を広げ、不測の事態に柔軟に対応できる準備を整えておくことが重要となる。
 生産者や食品事業者を支援する補助金制度やキャンペーンを積極的に活用することも勧めたい。HACCPジャパンでも補助金を活用しており、さらにはお客様への申請支援なども行っている。

 ――ウィズコロナ時代において貴社はどう貢献できるか
 当社が販売する空間除菌デバイス「Devirus AC(デヴィルスエーシー)」は空間除菌剤である亜塩素酸水を微細なミストにし噴霧することで、空間全体に浮遊するウイルスや細菌・カビなどを効果的に除菌することが可能となる。
 強調したいのは食品への安全が担保されていること。専用のクロラス酸水「クロラス除菌ウォーター」は食品添加物として厚生労働省から認められているもの。塩素系でありながら残留性がなく、次亜塩素酸ナトリウムのように洗い流す必要もない。汚れがある環境下でも継続的な除菌効果を発揮できる点も強み。農業用ドローンでクロラス酸水を噴霧し、スタジアムなどの除菌も手掛けている。
 クロラス酸水は次亜塩素酸水などと比べ知名度こそ少ないが、除菌効果や安全性が立証された優れた除菌剤といえる。認知度が上がるにつれ、供給量も増加していくことが想定される。

 ――今後の展開について
 空間除菌デバイスや迅速検査機「バクテスター」、靴裏除菌マットなど、現在の当社事業は衛生管理分野をメインとしているが、清掃業におけるビフォーアフターの評価支援、空間における除菌検証の支援など、業務の幅が広がっている。今後は高い衛生管理レベルを担保とした新規事業の創出支援やマーケティング支援なども強化していきたい。コロナ禍が収束した際も企業の衛生管理は付加価値として位置づけられ、企業の成長に欠かせない要素となる。

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