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業界交差点

この人に聞きたい:第785回
(週刊水産タイムス:21/05/17号)

蒲鉾の最高峰 めざす姿勢は不変

(株)白謙蒲鉾店  白出 哲弥社長

(しらで・てつや)宮城県を代表する石巻市の笹かまぼこメーカー。ソフトな食感の笹かまぼこや厚みのある揚げかまぼこで幅広い支持を受ける。20代で3代目社長となった征三会長の長男。営業担当常務、管理担当常務の2人の弟とともに盤石な体制を固める。50歳。東北学院大卒。

 ――2021年4月期決算の状況は。
 白出 売上高は前年の35億5000万円からやや減収の約33億5000円にとどまる見込みです。コロナ禍にあっても仙台本店と位置付ける百貨店・三越はほとんど影響ありませんでしたが、サラリーマンの出張、観光客の姿が激減した仙台駅や空港は、みやげ売場全体がかつてないダメージを受け続けています。

仙台駅・空港に大きなダメージ

 ――仙台みやげとしては定番の「笹かまぼこ」も例外ではない。
 白出 それでも年明け3月前半までは順調でしたが、3月18日からの宮城県緊急事態宣言で一気に冷え込みました。当社は仙台駅に3店(駅ビル含む)、仙台空港に店舗がありますが、コロナ禍による来店者数の減少は、売上げに直接影響します。
 当社は原料、製法に徹底してこだわり、「最高の原料、最高の技術による世界最高峰のかまぼこ」を掲げてきました。
 しかし、どんなにおいしいカマボコを作っても、ひとたびコロナが広がれば、たちまち売上げに影響する。「昨日より今日」「今日より明日」と、最高峰のカマボコをめざし続ける、ありとあらゆる努力を超えたところにコロナの最大の脅威があることを、この1年で痛感しました。

 ――おいしいカマボコを作れば売れる。そんな当たり前の理屈が通用しなくなるのがコロナ。
 白出 だからといって、手をこまねいているわけにはいきません。おいしいカマボコを食べたいというお客様の思いは、コロナ禍であろうとなかろうと、変わるものではないと信じています。
 確かに店舗での販売は厳しい状況下にありますが、その一方で通販・ギフトが大きく伸びています。コロナ禍で販売チャネルは大きく変わりました。
 特に通販は月によって前年比150%超えもあり、大きな伸長を示しています。白謙のカマボコを食べたいというお客様がそこにいる――それが私たちとっては最大の励みです。
 この1年、特に20代のお客様が増えました。若い方からの支持が増えているのは、将来に向けての大きな希望になります。

 ――通販が伸びれば、次につながる。
 白出 新たな取り組みとして、当社の笹かまぼこに、同じく仙台名産の有名菓子、人気の牛たんを詰め合わせたオンラインショップ限定の「仙台プレミアム」が注目されています。コロナによる移動自粛で、インターネット通販の需要が高まり、「宮城・仙台のおいしいものを一緒に贈りたい」という声から生まれた企画です。

逆境をバネに次のチャンスへ

 ――例年なら、ゴールデンウイークから中元需要、七夕まつり、お盆の帰省と、販売の天王山を迎える。
 白出 政府には一日も早くワクチンが国民全体に行きわたり、コロナが収束に向かうことを切に願っています。しばらくは先が読みにくい状況が続きそうですが、我々としては常にワンランク上のカマボコをめざし、原料と製法を日々追求していく姿勢に変わりはありません。力を入れてきた人材育成においても、かまぼこ技能士はこの1年でさらに増え、1級15人、2級7人の陣容となりました。

 ――やるべきことをやるだけ。
 白出 店舗での販売は今、厳しい状況に置かれていますが、これがずっと続くわけではありません。
 急速に伸びてきたネット・通販をさらに強化していくことで新たな販路を広げることができれば、店舗販売の回復と合わせ、アフターコロナには、また次に成長のチャンスがあると信じています。

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