この人に聞きたい:第798回
(週刊冷食タイムス:21/08/24号)
アフリカ料理をネット販売
(株)ナフコネクト 代表取締役 ケネディ・フィンタン・ンナジ氏
ナイジェリア・イモ州出身。23歳で来日。日本人女性と結婚、1男2女の父親。葛飾区在住。趣味はウォーキング。1968年8月生まれ、53歳。アプリのコンテンツ開発、貿易サービス業、非鉄金属リサイクル事業も手掛ける。
冷食で母国の味を伝えたい
冷凍アフリカ料理を同社オンラインストアで販売するナフコネクト(東京都)。発売までの経緯や今後の目標などについてンナジ社長に聞いた。
――日本語が堪能だ。
ンナジ 来日当初は英語とイボ語しかできませんでした。カラオケを学習に活用すると、上達しました。漢字に興味があり、できる限り習得したいと考えています。
――日本食で好きなものは。
ンナジ 焼き魚、みそ汁、切り干し大根など和食が好きです。刺身など生ものだけは苦手ですが、たいがいの和食を好んで食べます。冷凍食品ではセブンイレブンのチャーハンがお気に入りです。
――冷凍食品を自社で販売することになったきっかけは何か。
ンナジ 2019年8月に横浜開催の第7回アフリカ開発会議です。私は在日ナイジェリア連合会会長を務めており、役職上、来日代表団300名をもてなす役割を担いました。初日は日本食を喜んでいた彼らが、翌日には母国の味を欲しがるようになりました。しかしアフリカ料理を日本で食べるのは困難です。
――確かに難しそうだ。
ンナジ 相模原市に該当店舗があったのでデリバリーを頼みました。ところがホテル持ち込みを断られたのです。食品衛生法の自主検査要領に基づいた検査証明がなかったことが原因でした。この経験から、厚労省基準の重みを実感するとともに、アフリカ料理を手軽に入手できるようにしたいと考えるようになりました。そこでナイジェリア人で埼玉在住の料理人、クリストファー・アンドロス氏にレシピづくりと冷凍食品製造を依頼し、具現化したのです。
――冷却設備は?
ンナジ 私が出資し、アンドロス氏の店舗「ヴェロクリス・ファンデーションズ」の厨房に導入しました。厚労省基準をクリアし、冷凍食品販売を5月スタートしました。販売はEコマースで、専用アプリも開発しました。反響は大きく、製造能力に追いつかないほどです。そこで今後、冷食レシピを提供することで、フランチャイズ形式でアフリカ料理の販売網を広げていきたいと考えています。
――ジョロフライスやモイモイなどメニューは5種類。品数を増やす計画はあるのか。
ンナジ 増やす予定です。アフリカのことを日本人にもっと知ってほしい、伝えたい。そのためにもメニュー充実を図ります。
――母国の冷凍食品事情は。
ンナジ 普及していません。一般家庭で育ちましたが、冷凍食品は身近にありませんでした。