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この人に聞きたい:第817回
(週刊冷食タイムス:22/01/11号)

米国から東回りでポテト輸送

シンプロット・ジャパン(株) 代表取締役社長  小野 弘樹氏

(おの・ひろき)2007年入社。ファストフード、レストランチェーン等を担当、13年シニアセールスマネージャー、15年営業部長、20年1月から現職。千葉県八千代市出身。駒澤大経済学部卒。1969年10月13日生まれ、52歳。

世界的需要増で港湾混雑

 昨年8月以降、コロナ禍からの回復で欧米の需要が急伸したため、世界的にフライドポテトの供給がタイトになっている。同時に生産コスト高が進行している。

 ――米国産輸入ポテトの状況について聞きたい。
 小野 西海岸最大のロサンゼルス港では貨物船が多い時で100隻以上滞留していましたが、高額な課徴金の徴収命令後は多少緩和されたようです。一方で、港湾労働者やトラックドライバーの人手不足も混雑に拍車をかけています。

 ――シンプロット社はどこから輸出を?
 小野 工場がアイダホ、ワシントン州にあるため平常時であればシアトルから出荷します。ところが、コンテナ不足の余波で、コンテナだけをロサンゼルスまで取りに行くケースもあります。
 当社は2014年の西海岸港湾ストの経験を教訓に、コスト増は否めませんが、ニューヨーク等の東海岸まで鉄道や陸送で大陸を横断し、そこから喜望岬経由の東回りで日本に運ぶオプションを持っています。ニューヨークからだと2カ月かかりますが、荷物は確実に届きます。

 ――生産コストも上昇していると聞く。
 小野 原料ポテト、油、バッター原料、包材などが上昇し、輸送費とトータルで20%以上(12月上旬時点)はコストアップしています。また、原料ポテトは過去4年間で収量が最も少ない状況で、8月以降の需要が供給見通しをずっと超過するペースで推移しています。このまま行くと今年の夏前までにショートするかもしれません。

 ――冷凍ポテト全体の輸入量は1〜11月の累計では4.4%増だが、アメリカ産は3.6%減少している。
 小野 本来の需要は輸入量の1.3〜1.5倍はあると見ています。ポテトがこういう状況なので、当社では15年以上前から扱っている冷凍アボカドの提案にこれまで以上に力を入れています。

 ――事務所を移転する。
 小野 テストキッチンがなかった上、組織拡大に伴い社員が増えて手狭になってきたため今月11日、渋谷に移転します。もともとイタリアンレストランだった物件で、広さは約2倍。新しいオフィスで顧客と一緒になったメニュー開発や、積極的なプレゼンテーションでゴールをめざします。社員の能力を伸ばすためのトレーニングにも活用し、セールススキルの向上を図ります。

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