冷凍食品(冷食)・冷凍野菜・お弁当の売上・取扱ランキング・ニュース

水産タイムズ社
トップページお問い合わせサイトマップ
業界交差点

この人に聞きたい:第820回
(週刊冷食タイムス:22/02/01号)

弁当への依存脱却図る

ケイエス冷凍食品(株) 代表取締役社長  池内 良彰氏

(いけうち・よしあき)外資系を経て1994年9月JTフーズ入社。2009年加ト吉。10年テーブルマーク営業二部長。開発事業部長などを経て21年KS冷食社長。米国BigBend大学1986年卒、1963年7月石川県生まれ、58歳。

「鶏つくね串」の次の商品も課題

 テーブルマークから昨年1月1日付で社長に就いた池内良彰氏。前期中にX字回復をめざしたが、業務用に限らず、市販用は弁当比率が高いため、前12月期は苦戦を強いられた。今期はどう対処するか聞いた。

 ――1年前の社長就任時にV字回復を第一に挙げたが。
 池内 12月期は集計中ですが、概算で20年度実績をギリギリ超えたかと見ています。業務用は20年度が大変厳しかったので前期はさすがに5%の増収。一方、市販用は市場が堅調に伸びているようですが、当社は元々弁当向け比率が高いこともあり、市場平均ほど伸びず、ほぼ前年並み。合わせて1%程度の増収と見込んでいます。

 ――しかし、厳しい環境の中で伸ばしたことはまずまず?
 池内 いや物足りない。わずかでも20年実績は上回ったが、19年度に戻ったわけでもない。幸い交通費、販促費などコストが総じて減ったが、逆に原材料・エネルギーコストはほぼすべて高騰しており、収益の厳しさは変わらない。

 ――鶏つくね串が頑張ってる。
 池内 鶏つくね串はおかげで底堅い。厳しい市況の中で市場に残っている。これが市販用の中軸となって頑張ってくれている。

 ――昨秋、食卓向けをめざして市販用肉だんごとエビのチリソースを大幅リニューアルしたが。
 池内 食卓向けに原料も容量もパッケージも大幅刷新し、これに伴って価格も上がったため、売上げは以前と同程度だが、数量は落ちている。肉だんごは右肩上がりになってきたが、いろいろ分析し、販促を含め見直しています。

 ――外国人実習生を本社泉佐野工場に受け入れているが。
 池内 ベトナムから12名を受け入れてますが、本当に戦力になってます。大変真面目。将来は社員採用も考えてます。第2弾も採用したいが、コロナで渡航が難しい。

 ――今年1月1日付で役員を結構多く異動させたが、ねらいは?
 池内 5年先に当社がどうあるべきか、中期的に考えたもの。

 ――今期以降の経営課題は。
 池内 市販用は弁当向け依存からの脱却と、鶏つくね串に続く新しい中軸商品の開発・定着。業務用は影響が少ない老健・メディカル、デリカ、学校給食などにも手掛け始めたが、新販路の開拓は必須。簡単にはいかないだろうが、チャレンジしないと得られない。

 ――イメージしているのは?
 池内 例えばプラントベースは業務用で扱っているが、今後の伸びしろが大きい。EC(Eコマース)の販路も堅調に伸びています。ECは冷凍食品との親和性が強いと思います。

水産タイムス 冷食タイムス
(C) Copyright 2004-2015, Suisan Times Co., Ltd. All Rights Reserved.
当サイトに掲載されている記事・写真の無断転載を禁じます。  お問い合わせ |サイトマップ著作権・記事使用・リンク・個人情報の保護などについて>>