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この人に聞きたい:第822回
(週刊冷食タイムス:22/02/15号)

高湿度で低温解凍を実現

プロトンエンジニアリング(株) 代表取締役  庄司 晃氏

(しょうじ・こう)三菱電機冷熱プラント(株)、菱熱工業(株)、(株)菱豊フリーズシステムズで食品冷熱工事、食品装置「凍結、解凍」の開発設計に従事。2017年創業。1969年北海道生まれ。北海道工業大学機械工学科卒。

スピード解凍に絶対の自信

 独自開発の「プロトン解凍機」は湿度100%の庫内環境を作り出し、冷凍原料の低温解凍を実現する。解凍スピードの速さと大容量でもムラなく高品質に解凍できる技術が評判を呼び、引き合いが強まっている。

 ――最近の解凍ニーズは?
 庄司 メイン顧客である畜肉メーカーからの受注は堅調に推移していますが、この1年で果汁メーカーからの引き合いが増えました。ドラム缶やペール缶などに入った冷凍オレンジ果汁、冷凍いちごなど、処理量10t以上の原料解凍に使われています。レモンサワーの市場が伸びており、冷凍レモン果汁の需要も増えています。
 ドラム缶に入った冷凍原料は自然解凍だと夏場で数日、冬場で10日間程度かかりますが、「プロトン解凍機」であれば24時間で解凍できます。

 ――食品工場は以前よりも解凍工程を重視するようになった?
 庄司 解凍品質の向上やドリップ減少などに対するニーズは高まっていますが、解凍機の導入を真剣に考えている現場では、それ以上に解凍から原料投入までのリードタイムをいかに短縮できるかが決め手になります。生産現場を効率よく回せるのなら早く導入したいという雰囲気を強く感じます。

 ――スピード解凍がカギ?
 庄司 「プロトン解凍機」は庫内温度を10〜30度Cに維持した上で湿度100%にできる特許技術が最大の強みです。熱源が同じ蒸気でも競合他社より解凍スピードは速い。さらに、解凍は凍結と同様に風速が重要ですが、これを制御する技術も大きな武器です。

 ――解凍品質の要求レベルが上がっていると聞く。
 庄司 表面温度を10度C以上にしたくないというユーザーが増えています。当社は表面温度を2段階でコントロールする解凍プログラムを搭載しています。
 第1段階では庫内温度を短時間で25度Cに上げて解凍を進めます。食材の中心温度がマイナス5度C近くまで上がってきた段階で第2段階に移行し、庫内温度を18度Cに下げます。表面温度が上がり過ぎないようにしながら中心を解凍して冷蔵に切り替えます。これによって表面温度の上昇を抑え、中心との温度差を小さくすることができます。

 ――量販店にも広がっている。
 庄司 量販店ではバナメイえびのブロック解凍に使われるなど導入実績が出始めています。2.5キロのブロックなら2時間半で完全解凍に至ります。一次解凍をしっかり行うことで、水使用量を減らすことにも貢献できます。

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