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この人に聞きたい:第823回
(週刊冷食タイムス:22/02/22号)

物流の永続性に危機感

F‐LINE(株) 代表取締役社長執行役員  本山 浩氏

(もとやま・ひろし)1983年味の素入社。味の素冷凍食品執行役員家庭用部長、味の素大阪支社長、加工用調味料部長、常務執行役員などを経て2021年6月から現職。1961年1月神奈川県逗子市生まれ、61歳。早大商学部卒。

課題解決に製配販で連携を

 味の素(株)から昨年6月付で社長に就任した。「現場を知らなければ務まらない」と全拠点を回り、早朝のトラックにも同乗した。現場が抱える課題を目の当たりにして、新たな仕組みづくりが必要との考えを示す。

 ――社長就任から半年以上が過ぎたが、この間の動きは?
 本山 全国にある約70カ所の物流拠点と協業会社さん約100社を回りました。当社の保有車両は約500台ですが、協業会社さんを含めると稼働台数は約5千台に上り、地方のラストワンマイルのほとんどは協業会社さんに依頼しています。

 ――地方を視察した印象は?
 本山 現場からは「毎日はもう運べない」、「少なくとも(荷量が少ない)土曜日の配送はやめてほしい」、「隔日配送にしてほしい」との声が聞かれました。食品物流は人気がなく、人が集まらない。この先、運ぶ人が本当にいなくなるという危機感があります。

 ――なぜ人気がない?
 本山 荷積み・荷降ろしの作業時間が長い上に、荷受け先で棚入れを求められるなど付帯作業が多いからです。さらに待機時間の問題もあります。先日、7t車に同乗して都内を回りましたが、午前納品指定のため荷積みの開始時間は午前4時。ベテランドライバーと入社3年目の女性従業員の2人で6時過ぎに出発。その日の待機時間は20分程度でしたが、2時間以上になる場合もあります。

 ――時間外労働時間を規制する2024年問題も迫っている。
 本山 トラックの待機時間や荷下ろし時間のデータを分析し、残業時間を減らすための対策づくりを進めています。共同配送や伝票の共通化はすでに一部で始めており、冷凍食品のパレット輸送も計画しています。
 ただ、出荷リードタイムの短縮や納品時間指定の緩和などは我々だけで解決できません。我々ができるのは倉庫作業の効率化と、ミニマムコストでどう運ぶかです。あらゆる課題の解決には荷主や荷受け先、行政の協力が不可欠です。

 ――業務用物流の進捗状況は?
 本山 卸団体のJFSA(日本外食流通サービス協会)から中西部ブロックの物流業務を請け負っています。これまでは各メーカーがPB商品を卸会社の倉庫にそれぞれ運んでいましたが、これを手前の段階で当社が受け、まとめて配送する仕組みに変えました。輸送効率が改善し、荷受け時間の短縮、人件費の削減に貢献できています。コロナウイルス感染拡大で遅れましたが、順調にスタートできています。

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