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この人に聞きたい:第831回
(週刊冷食タイムス:22/04/19号)

外食事業が前期V字回復

(株)イートアンドホールディングス代表取締役会長CEO  
文野 直樹氏

(ふみの・なおき)1980年4月大阪王将(株)入社。10月取締役、85年7月代表取締役社長、2002年イートアンド(株)に社名変更。20年持株会社制移行に伴い現社名に変更と同時に現職。1959(昭和34)年11月29日生まれ、62歳。

コロナショックで火がついた

 コロナ禍で落ち込んだ外食事業は住宅立地への出店戦略やテイクアウトの拡大に努めた結果、前2月期でV字回復を果たした。

 ――前期は外食事業が営業黒字に改善した。
 文野 過去5年、外食市場は店舗数が増減を繰り返し、成熟期に入っていました。そこにコロナショック。当社の2020年度決算が最終赤字になった時はゾッとしました。大阪の本社ビルを売却して背水の陣を敷き、店舗の積極的なスクラップ&ビルドを進めました。渋谷、新宿、池袋といった繁華街にあった「大阪王将」直営店は、感染拡大が始まってすぐに撤退しました。

 ――決断が早い。
 文野 実は以前から出店戦略が間違っているのではないかと感じていました。繁華街の店舗は家賃が高く、深夜まで営業している割に薄利なのです。
 一方で、住宅立地への出店とテイクアウトの“二刀流”で外食事業の回復が顕著になりました。当社はコロナ前までの売上げが微増に次ぐ微増で、低収益体質が当たり前のようになっていました。コロナショックで地獄の淵を見た時、このままではだめだと会社全体に火がつきました。幸い、地獄に一歩たりとも足を踏み入れることはありませんでした。

 ――中期3カ年計画を初めて公表した。
 文野 これまでも中期計画を立てていましたが、一度も達成できた試しがなかったので公表を控えていました。今春から「プライム市場」を選択したことで、ワンランク上に行くぞ、という強い意思を持つことができ、中期3カ年計画として公表することにしました。

 ――24年度の売上高は500億円を掲げている。
 文野 最も重視しているのは冷凍食品。マーケットが拡大しているため、しっかりした商品を作れば作った分だけ売ることができると見ています。
 次に外食の再生。人口が多い関東エリアでフランチャイズ店を増やします。関東であれば、各駅停車しか止まらない駅周辺でもうまくいく。セントラルキッチンで餃子を包み、近隣の店舗に配送する体制を整えて店舗の負担を軽減します。
 これまでは食品と外食の2軸で成長し、コロナ禍では食品事業でリスクヘッジできました。やはりどんなことがあっても盤石な体制を構築するため、中計では海外出店とEコマースを加えた“4本の矢”で成長をめざします。

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