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この人に聞きたい:第843回
(週刊水産タイムス:22/07/18号)

ホヤの魅力で震災復興

(一社)ほやほや学会 会長  田山 圭子氏

(たやま・けいこ)東京都出身。東日本大震災の復興に向け、現地の人と一緒に取り組む中で「ホヤの需要拡大を東北の復興につなげたい」と、2014年に「ほやほや学会」を設立。ホヤの認知向上、消費拡大に努めている。

 震災支援のために訪れた石巻で地元の宝物「ホヤ」と出合い、人生が変わった。
 それまで宮城に来たことはほとんどなかったが、復旧・復興というフェーズで活動を続けながら「地域の産業を盛り上げていくことができたら」と考え始めた。
 地元特産のホヤの認知向上、消費拡大のためにホヤにまつわるコミュニティを開設。地元漁師や加工業者、観光協会と協力し合い、ホヤの産地を紹介するツアーなど、ユニークな活動も行ってきた。ここ数年はコロナ禍で活動が制限されているが、「一日も早く以前のような活動を再開したい」と願う。
 「海のパイナップル」と言われるホヤだが、一般的には馴染みが薄く、福島原発事故の風評被害を受けた水産物の代表格でもあった。ほやほや学会をはじめ、被災地の漁業者、水産加工業者の努力もあり、国内のホヤ消費量は震災前の2010年に約3000tだったのが、18年には約7700tと2.5倍まで増加した。
 今では都内のスーパーでも鮮度良くおいしい「むきホヤ」が手軽に買えるようになった。ホヤファンは着実に増加している。
 東北地方では7月初旬から8月の七夕までの「梅雨ぼや」が好まれる。食べ方は酢の物や刺身が多いが、最近はアヒージョやカルパッチョといった斬新なメニューも増えている。
 「ほやほや学会」とは別に、宮城県内の生産・流通関係者からなる「宮城ほや協議会」でも会長を務める。
 ホヤのおいしさを極めた新ブランド「ほやの極み」を立ち上げた。鮮度と品質管理に合格したホヤで、その魅力を広く発信する。

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