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この人に聞きたい:第856回
(週刊冷食タイムス:22/10/25号)

業務用で新市場を創出

(株)ニチレイフーズ 業務用事業部部長  山川 貴氏

(やまかわ・たかし)1992年ニチレイ入社。2005年ニチレイフーズ所属、量販店惣菜部門を担当。21年から現職。今年4月、商品部長と営業推進部長兼務。1969年(昭和44年)4月16日生まれ、53歳。大阪出身。宮崎大農学部卒。

手作り品質で“冷凍化”する

 ニチレイフーズは業務用冷凍食品で手作り品質をめざし、顧客に生鮮・チルド品から冷凍食品に置き換えてもらう“冷凍化”を進め、新市場の創出を図っている。

 ――今秋の業務用新商品の出足は?
 山川 今秋は特に「チーズイングリルドハンバーグ110」と「特撰チキンカツ120(もも肉)(生IQF)」、「炭火焼二段仕込みの鶏つくね75」に力を入れており、取引先からも高い評価を得ています。これらの商品に共通するのは、手作り品質、専門店品質をめざした点。ハンバーグはこれまで肉粒感やジューシーさといった肉の部分にこだわってきましたが、包餡タイプは当社として初めて。外食店で定番となっている「チーズインハンバーグ」を専門店レベルにまで引き上げました。「特撰チキンカツ」は未加熱なので、肉本来のジューシーさが感じられます。鶏つくねは専門店でも人気のメニューであり、炭火の香りと手ごね風の見た目にこだわりました。
 生鮮・チルド品から手作り品質に準ずる品質・おいしさの冷凍食品に置き換えてもらい、新市場を創出するのが当社の目的です。これを社内では“冷凍化”と呼んでいます。既存の業務用冷凍食品市場の中でパイの奪い合いをしていては市場が広がりません。

 ――ターゲットは比較的小規模ユーザーになるのでは?
 山川 冷凍食品にネガティブなイメージを持っている飲食店は少なくありません。しかし、人手不足は大きな課題です。サンプルを試食してすぐ採用につながるくらい、商品には一人歩きしてもらわなければなりません。

 ――「価格高騰対応型商品」も発売している。
 山川 付加価値のある商品で売価を上げるか、それとも維持するのか、ユーザーに選択肢の1つとして提案しています。価格を維持するために、原材料を置き換えたり、規格を見直したりしています。

 ――惣菜担当が長い。
 山川 中部、北陸、首都圏、中四国、関西とさまざまなエリアで多くの大手量販店惣菜部門を担当してきました。時代の流れとともに各社の差別化が進み、さまざまな商品を一緒に作ってきた経験が今に生きています。

 ――思い入れのある商品は?
 山川 「特選中華直火炒めチャーハン」です。家庭用では新・三段階炒め製法の「本格炒め炒飯」がbPですが、業務用では鉄鍋を使い、直火で炒めた直火炒めチャーハンが、調理人の作り方を再現したオンリーワン商品です。

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