この人に聞きたい:第863回
(週刊冷食タイムス:22/12/13号)
百周年の目標は計画超え
旭食品(株) 代表取締役副社長 竹内 紘之氏
(たけうち・ひろゆき)来年予定している創業100周年記念事業企画の責任者を務める。2001年加ト吉入社。06年4月旭食品入社、神奈川支店に配属。14年取締役、16年常務に昇格。19年4月から副社長。大阪産業大学経営学部卒。1977年5月生まれ、45歳。
値上げの影響は乗り切れた
当初懸念していた値上げの悪影響は乗り切り、来年の創業100周年に向けた過去最高の売上げと利益にも王手がかかっている。
――10月のビールの値上げの影響を懸念していた。
竹内 乗り切ることができました。酒類の売上げは9月30%増でしたが、10月はなんとか10%減に抑えることができ、10月までのグループ総売上げは9.9%増と予算に対し1%上回りました。
――冷食の値上げの影響は?
竹内 想定内でうまくいっていると思います。一部の得意先はまだずれ込んでいますが、食品は結構、融通をきかせてもらえています。酒類はゼロか百の世界ですが。
――外食向けの卸は?
竹内 外食は大衆居酒屋や個人店が淘汰されていて、その反面2万〜3万円の創作料理店などが東京を中心に伸びているそうです。関東では従来の90%くらいまで戻っていますが、四国など地方の居酒屋は厳しい。
――低温食品は?
竹内 10月までの卸部門売上げは4.1%増。うち市販用冷凍食品は10.8%増、業務用は0.7%増、鮮冷(魚)は3.3%減、畜冷は2.3%増、チルド3.0%増です。西日本でスーパーの売上げが若干落ちているのは巣籠り需要が減ったからでしょう。
――ほぼ全分野が伸びている。
竹内 予想以上に全社員の意識が高まり会社の組織がうまく動けました。私は西日本の担当ですが、各支店を回りリアルコミュニケーションを心がけ、意思疎通ができたと思います。こだわり商品作りも進み、ドレッシングやポン酢などを開発しています。来年度は低温商品を開発する計画です。
――冷食は今後も伸びる?
竹内 NBだけではない品揃えが求められるようになりました。ただ、電力料金高騰により低温ショーケースを減らす小売店も一部出ています。一方で冷食を伸ばしたい店はリーチインで対応して売場を広げており、素材系や業務用パックを充実させています。
――来年はいよいよ100周年。今期目標達成の見込みは?
竹内 売上げ5千億円の目標は達成できると思います。値上げ対応や販管費・物流費も含め利益管理を各支店にまで落とし込んでおり、業績は計画を大幅に上回っています。売上げ総利益は10月まで11%増で予算を1.7%上回り、販管費は計画を若干下回り進捗できています。その結果、経常利益は予算を9億円上回っています。今後の状況次第で37億円の目標を上回る40億円も見えてきました。