この人に聞きたい:第864回
(週刊冷食タイムス:22/12/20号)
大阪や名古屋への出店も計画
イオンサヴール(株) 代表取締役社長 デミルカン・ミネ氏
2000年4月ジャスコ(現イオン)入社。14年3月イオンのグループ戦略担当、15年4月イオンフィナンシャルサービス国際業務管理部長、20年3月監査企画部長、21年4月事業推進本部長から22年3月1日付で現職。1971年11月21日生まれ、51歳。
EC売上げは昨年の1.5倍
今年3月1日付で冷凍食品専門店「Picard(ピカール)」を展開するイオンサヴール(株)の社長に就任したミネ氏に1年間の総括や今後の販売戦略を聞いた。
――今年の売上げ見込みは。
ミネ 昨年を上回る見込みです。ECは月によっても変わりますが1.5倍程度伸長しました。今後も拡大していきます。
外食の値上げなどに加え、食べたい時に食べたい分だけ使えるのでフードロスが削減できる、旬の時収穫した素材で品質が高いといった冷凍食品への理解が進んだことから消費者の間でリピート使いが定着しています。
――商品の調達状況は。
ミネ ウクライナ侵攻やコンテナ不足により春先は輸入に遅れが生じましたが、現在は商品を安定調達できており、新商品もどんどん導入しています。昨年は欧州の鳥インフルエンザの影響で人気のカモ類が販売できませんでしたが今年は品揃えすることができました。輸入しづらい肉類やベリーなどは日本国内生産の商品もありますが、フランス本社の認証を得て品質も担保しており、好評です。
――消費者は価格に敏感だ。
ミネ 消費者だけにコストを負担させるわけではなく、価格を上げるものと下げるものに分けて、日常使いの商品などは価格を下げて提供しています。
――外部デリバリーサービスの導入も進んだ。
ミネ 今年から仕切り直しして進めました。店舗によって異なりますが売上構成比約5%をめざしています。一部構成比の高い店舗では9〜10%です。
ECとは異なり、店舗で販売しているワインやアイスクリームと合わせ買いできるので店舗周辺に住む3〜6km圏内の新たな消費者を獲得することができました。
――ECは英・仏語に対応した。
ミネ 元々EC利用者の15%が外国人でした。約22%に拡大していく目標です。要望に合わせて他言語にも対応します。
――来期の計画は。
ミネ 来期中に路面店のSKUを350から500〜600に拡大する予定です。
商品は日本人の好みに対応したパンやつけ合わせなど全ての部門で品揃えを拡大し、フランスのブランド牛を使った高質商品、健康志向に対応したスムージーを楽しめる冷凍野菜や果実のミックスの導入を考えています。
店舗開発は大阪や名古屋等の主要都市への大きな路面店の出店やイオンの差別化のためコーナー出店を計画しています。