この人に聞きたい:第874回
(週刊冷食タイムス:23/03/07号)
おいしさには自信がある
エム・シーシー食品(株) 常務取締役営業本部長 水垣 佳彦氏
(みずがき・よしひこ)1995年神戸学院大学法学部卒後六甲バター入社。2011年エム・シーシー食品に入社し大阪支店に配属。13年関西学院大学経営戦略研究科卒、同年取締役営業副本部長兼東京支店長に。15年から現職。1973年生まれ、兵庫県出身。
商品のストーリー伝えたい
神戸ポートアイランドに冷食とレトルトの新工場が稼働して1年。今年は創業100年の節目でもあり、レトルトカレーで自信の新商品も発売する。
――新工場は軌道に乗った?
水垣 ようやく貢献してきました。準備段階では全て順調でしたが、なかなか計画していた通りにいかないもの。昨年10月一部で欠品を発生させてしまいましたが、11月からは計画通り。今は計画以上に稼働している日もあります。
――コロナ禍を鑑みて1kg以下の小袋商品の工場にしている。
水垣 人手不足を背景に業務用の冷凍ワンポーションパスタソースなどが好調です。
――昨年は新工場完成とともに市販用冷食も発売した。
水垣 残念ながら店に置くことができていません。単価の問題もあり、見直そうと思っています。
――上期(8月期)の手応えは?
水垣 価格改定効果もありますが、2ケタ増収・減益で進捗しています。本来は減収でもいいから増益にしたいところです。11月に価格改定を始め、NBは通りましたが、PBは交渉を始めているところ。PBはリニューアルして価格維持を求める得意先もあり、そこに時間がかかっています。
――通期の見通しは?
水垣 売上げは間違いなく2ケタ増でしょう。前年までが良くなかったですし、コロナ前に比べれば外食はまだ90%。惣菜や産給、ヘルスケア、学給などに力を入れていかないと。コロナ禍中は学給で結構助かった部分もあり、あらためてそこに注力していきます。特に神戸を中心とした関西で学給の力になりたい。
――御社は”神戸愛”が強い。
水垣 実際、そういう意識を持って取組んでいます。
――神戸市のオープンイノベーションプロジェクトの状況は?
水垣 異業種21社から応募いただき、1社選定しました。当社は商品のストーリー性を大事にしていますが、なかなか店頭では伝えにくい。その課題の解決にパートナーと取り組んでいます。
――御社が考える「今一番おいしいカレー」を今春発売する。
水垣 「100時間かけたビーフカレー」のリニューアルを進めていた担当者が「今の商品の延長線ではなく、僕の考える最高においしいカレーはこれです」と持ってきた。びっくりするほどおいしいので700円と高価でも販売することに決めました。商品名が「100年目のカレー」では本当においしいということが消費者に伝わらないので「100年目の自信『ビーフカレー』」に決めました。