この人に聞きたい:第907回
(週刊冷食タイムス:23/11/07号)
居酒屋に注目、今後伸びる
シンプロット・ジャパン(株) 代表取締役社長 小野 弘樹氏
(おの・ひろき)2007年入社。ファストフード、レストランチェーン等を担当、13年シニアセールスマネージャー、15年営業部長、20年1月から現職。1969年10月13日生まれ、54歳。千葉県八千代市出身。駒澤大経済学部卒。
外国人観光客から熱い視線
シンプロット・ジャパンはコロナ禍からの回復途上にある外食、中でも外国人観光客の関心が高い居酒屋に注目。今後の回復と伸長を見込んで積極的なアプローチを試みている。
――外食が回復基調にある。
小野 ファストフードはコロナ期間中も現在も堅調に推移しています。居酒屋はまだコロナ前の状態に戻り切っていません。しかし、データを分析すると、今後の伸びが期待できます。外国人観光客が行ってみたいところ、体験してみたいところに居酒屋がランクインしています。実際に居酒屋で外国人客の姿をよく目にします。
――居酒屋ではフライドポテトがすでに定着している。
小野 単品ではなく、例えばドリンクと組み合わせて、ビールにはこれ、ハイボールにはこれ、日本酒にはこれ、といった具合に、飲料とのペアリングのメニューにすると単価が上がるため、お店にもメリットがあります。当社の製品「ベントアームエール」はクラフトビールをバッターに使用しているため、ビールとの相性は抜群。居酒屋を深掘りします。
――アボカドの状況は?
小野 まだ始動したばかりですが、ペルー産からメキシコ産に切り替わったのを機に、メキシコ大使館の専属シェフにアボカドを使ったメニューを考案してもらっています。“大使館専属シェフ”ですが、日本人の好みの料理にも柔軟に対応可能です。
――10月のファベックス関西に初出展した。反響は?
小野 飲食店経営者に、シンプロットという社名や、フライドポテトにはさまざまな種類と食べ方があることを知ってもらう、良い機会になりました。ひねりを加えて成形した「サイドワインダー」、コーティングして経時変化に強い「コンクエスト・デリバリープラス」、圧倒的なサクサク感が特徴の「メガクランチ」などを中心に紹介しました。
――ポテトの供給状況は?
小野 今年1月以降、商品が順調に入ってくるようになりました。今年の原料も悪くありません。ただし、世界的に需要が伸びているため、シンプロットが各国で稼働している工場はどこも生産能力がいっぱいの状況に変わりありません。国内の倉庫もいっぱいで、空きがほとんどないですね。そこにインド産や中国産のフライドポテトが入り始めているのが脅威です。様々な品質、価格帯の商品が輸入されている中で、米国産ポテトが持つ品質の高さ、実際の食体験を通して付加価値を訴求していきます。