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この人に聞きたい:第938回
(週刊水産タイムス:24/06/24号)

水産資源と漁場環境を回復

JF全漁連 代表理事会長  坂本 雅信氏

 

沿岸漁業の持続的な成長へ

 JF全漁連(坂本雅信会長)は2024年度通常総会を都内で20日開催し、28年度まで実施する第7期中期経営計画を発表した。同計画では@沿岸漁業の持続的な成長に向けた展開A漁村の活性化と持続的な環境・社会への貢献B総合事業体としての役割発揮と機能強化C役割発揮を担う体制・基盤の改革・改善――の4点が柱となる。
 坂本会長は「水産物の安定供給や持続可能な成長と漁場の活性化、水産物の消費拡大に取り組む」と方針を示した。
 坂本会長は総会後の会見で、海洋環境の変化により主要魚種が不漁となり、魚価が上がっていると指摘。「漁場の機能が大きく後退している。資源と環境を同時に回復させる取り組みを強化する必要がある」と語った。
 漁業の未来については、コロナ禍が明け、急増する訪日外国人は日本の魚食文化に魅力を感じているとし、「魚食文化は日本が誇る遺産。次世代に継承しなければいけない」と述べ、「漁業者は魚を獲るだけでなく、日本の魚に価値があると国内外にPRすべき」と訴えた。
 能登半島地震への対応については、全漁連として、政府に漁業の早期再開と生活安定を求めながら寄付や人員の派遣などの支援を行ったと報告。地盤隆起などで被災した漁港の復興が進んでいない現状について語り、支援継続の意志を明らかにした。
 ALPS処理水については、全漁連として、海洋放出を容認していないと表明した上で、放出後に国産水産物の国内消費が増えたことを指摘した。一方で中国、ロシアによる禁輸措置には日本政府を通して解除を求めていることなどを説明し、政府に対して長期にわたる対応を求めた。また、禁輸措置で困窮している漁業者への支援と魚食普及の取り組みで消費拡大を応援していく方針を示した。

坂本大臣「持続可能な水産を実現したい」

 来賓として出席した坂本哲志農水大臣はALPS処理水の海洋放出について「大変重い判断をしていただいた。事業者が誇りを持って、水産業に取り組めるよう、寄り添った対策の実施に万全を尽くす」と約束した。
 また、漁業法と水産流通適正化法改正案の国会成立を報告するとともに、「海業」についても言及し「水産業を核とした漁村の振興、養殖業の成長産業化、輸出の拡大、多角化を着実に実行する」と力強く語った。

木村新常務
新常務理事に農中金の木村直人氏

 通常総会では中平和典専務の退任に伴う役員補欠選任を行い、新理事の木村直人氏(農林中央金庫JFマリンバンク部参事役)が常務に就任した。
 そのほか、青森県漁連の二木春美会長、三重県漁連の濱口慶太会長、鹿児島県漁連の市田恵八朗会長が新理事に就いた。

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