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この人に聞きたい:第943回
(週刊冷食タイムス:24/07/30号)

シナジーの創出がカギに

旭食品(株) 代表取締役副社長  竹内 紘之氏

(たけうち・ひろゆき)2001年加ト吉入社。06年4月旭食品入社。14年取締役商品統括本部副本部長兼商品部部長。16年常務に昇格。19年4月から現職。西日本エリア・商品統括本部、広域営業本部を管掌する。大阪産業大学経営学部卒。1977年5月生まれ、47歳。

事業範囲の拡大さらに進む

 旭食品は寿司種を主力事業とするオーストラリアの卸を7月8日付で子会社化した。今年は茨城県の菓子卸もグループ化してフルラインを強化している。

 ――業務用水産卸のM&Aに積極的だ。2011年に外食卸の大倉を子会社化。14年には寿司チェーン向け商品を製造するベトナムの水産加工サクラフード、19年にはかいせい物産、さらに昨年は香西物産と韓国築地の2社を傘下にしている。まさか世界規模の寿司種卸をめざしている?
 竹内 売り手があってこそのM&Aですからそう思った通りにもいかないでしょうけど、寿司種をコアにしてヨコ展開のシナジーを生み出していけば数字はしっかりとついてくると思っています。21年にデリカサラダボーイの水産事業を大倉に移管したのも旭食品グループ全体での水産加工販売事業のさらなる強化のためです。

 ――外食卸だった大倉の寿司商材を旭食品の量販店惣菜ルートに広げていく戦略は大きなシナジーを生み出した。
 竹内 温暖化などで一次産品の収穫・漁獲が減り、地元からの仕入れに苦労している量販店も出ていますからね。オーストラリアの魚を加工してアジアに持ってくるケースも今後出てくると思います。もちろんフルラインを強化するには菓子と酒も必須です。

 ――長期経営計画で菓子部門の強化を掲げている。なぜ今、菓子の強化を?
 竹内 地域にはまだ小規模菓子卸があり、協業できる先があるでしょう。まずは丸高商会とのシナジーを大きくする所からです。

 ――前期は売上げ・利益ともに過去最高を更新した。今期は?
 竹内 4〜6月の売上げは5.1%増。市販用冷食は6.7%増、業務用食品は11.3%増でした。売上総利益は4.7%増でした。

 ――消費者は値上げ疲れだという話も聞く。
 竹内 6月単月では2.0%増なので、4〜5月の値上がりの影響はあるかもしれません。7月も6月に近い動きです。

 ――今期の見通しは?
 竹内 丸高商会の売上げが100億円上乗せされ、利益は単品管理できる体制ができているので今のところ計画通り。6月にベースアップしたので、その意味でも収益力を上げていきたい。

 ――トモシアHDの荒木章社長は今後東北の冷食カテゴリーを強化すると明言している。
 竹内 東北はある得意先に、旭食品がサポートする形で冷食を拡大していきます。数年後には結果が出るでしょう。

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