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この人に聞きたい:第945回
(週刊冷食タイムス:24/08/20号)

パスタ乾麺で海外へ

(株)日清製粉ウェルナ 取締役社長  岩橋 恭彦氏

(いわはし・たかひこ)1987年日清製粉(現日清製粉グループ本社)入社。2011年日清フーズ(株)(現日清製粉ウェルナ)営業本部業務用営業部長、13年取締役、18年常務、21年専務、23年4月から現職。1964年10月6日生まれ、神奈川出身。慶應大卒。

「早ゆで」を欧州・アジアに提案

 岩橋恭彦社長は成長戦略に掲げている海外事業の取り組みとしてパスタ乾麺「マ・マー 早ゆでスパゲティ」をヨーロッパ市場やアジア市場などに提案していくとともに、ベトナム市場の成長を見据えて7月からBtoC事業を進めていることを新商品発表会で明らかにした。2030年までに海外売上げ比率を現在の約15%程度から30%に引き上げる。
 「マ・マー 早ゆでスパゲティ」はデビュー以来右肩上がりで販売を伸ばしており、日本では「おいしさ」と「早さ」を両立できていることに評価を得ている。この「マ・マー 早ゆでスパゲティ」のニーズ調査を米国やフランス、イギリスなど海外7カ国で実施したところ評価を得たことから、現在生産拠点のあるトルコ日清製粉から欧州市場へ、日本のマ・マーマカロニからアジア市場へ、米国のメダリオンフーズから米国内市場に拡げていく。
 まず欧州市場に向けたアプローチとして今年10月にフランスで開催される総合食品見本市「SIAL Paris 2024」に「早ゆで」や「3分」をアピールした専用パッケージの「マ・マー 早ゆでスパゲティ」を出品する。タイで製造する冷凍うどんやベトナムで協力工場で製造する新商品の冷凍かき揚げ「Welna Vegetable Tempura」も併せて提案し輸出拡大を図る。
 ベトナムでは市場の将来性を見据え、2013年にレトルトなどを製造するベトナム日清製粉、18年にプレミックスを製造するベトナム日清テクノミックを設立し、BtoB事業を進めている。同国では共働き家庭が標準である一方、自炊頻度も高く、簡便調理をサポートする加工食品商品群へのニーズが期待されることからBtoC事業を7月開始した。
 現地のし好に合わせたパスタソースや炊き込みご飯の素を発売しているが、来年春までに20品を上市する予定。冷凍食品についてもまだパスタ食が根付いていないことからまずはオーソドックスな冷凍パスタの展開を想定している。当面はタイからの輸出だが「数量が出るようになればベトナム国内に冷食工場を作る必要がある」(岩橋社長)。新製品をアピールするプレス発表会を現地のイオンモールで9月実施する。
 ホーチミン市にターゲットを絞り、近代的な量販店型のモダントレードと伝統的な小売店のトラディショナルトレードのそれぞれの市場にアプローチしていく。
 リアル店舗以外にもベトナム自社公式Webサイトを立ち上げ、Amazonや楽天市場のようにベトナム国内でメジャーなEC「Shopee」内に自社モールも設置した。SNSを活用した広告施策も活用している。
 ベトナムBtoC事業売上高は2030年度までに100億円をめざしている。

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