この人に聞きたい:第946回
(週刊冷食タイムス:24/08/27号)
きちんと伝え、社員の声も届く
テーブルマーク(株) 代表取締役社長 松田 要輔氏
(まつだ・ようすけ)1991年加ト吉入社。2020年テーブルマーク執行役員営業副本部長、21年常務執行役員、23年営業本部長を経て今年1月1日付で現職。1968年2月19日生まれ、56歳。神奈川県出身。帝京大学経済学部卒。
風通し良く、“顔”が見える会社に
今年1月1日付で就任した。社員には積極的に声を掛け、伝えたいことが伝わり、また社員の声が届く風通しの良い会社をめざしている。
――社長就任時、社員に伝えたことは?
松田 2010年に加ト吉からテーブルマークに社名変更して以降、社長は私が6代目。14年間で6人交代しているため、顔が見えることが重要です。伝えたいことがきちんと伝わり、社員の声も届くような組織にしたいと考えています。執行役員営業副本部長時代から心掛けてきたので、大きく変わることはありません。昔から知っている社員からは今でもメールが届きます。若い社員からは「今度、野球の試合があるので観に来てください」と連絡が来ます。
――野球の試合?
松田 福利厚生の一環でテーブルマーク公式の軟式野球部がありまして、コロナで休部状態になっていたのですが、今年復活しました。部員は約20名。以前は平均年齢45歳だったチームに20代が加わり、若返りました。来月、食品開発センターを置く大田区の大会に出場します。監督は吉澤明治常務執行役員営業本部長。
――昨年末、今期の方針に「品群ポートフォリオの見直し」を掲げた。
松田 うどんだけでなく、ラーメンなどを含む冷凍麺を広げ、お好み焼、たこ焼、業務用ベーカリー、デザートなどに続き、柱になる商材を増やすという意味です。新たな柱を作るための種まきもしています。
――中国のグループ会社の状況は?
松田 進出した当初は日本に輸出するための生産拠点でした。今は中国の人件費が上がり、中国内販と第三国への輸出がメイン。かつては当社の商品の半数以上が海外生産だった時代もありました。ポートフォリオが大きく変わりました。
――今年は冷凍うどん50周年。印象に残っている仕事があれば。
松田 私が入社した約30年前、チルドうどんが1玉30円で、冷凍うどんの卸値が70円と倍以上の開きがありました。そこで取り組んだのはとにかく食べてもらう機会を増やすこと。店頭に立って試食販売はもちろん、マネキンさんと一緒になってメニューを考えました。業務用の営業時代は関東圏にあるほとんどのゴルフ場で商談しましたね。そば屋にも営業をかけました。メニューには大抵うどんがあるからです。でも、そばほど手間はかけられないところに商機がありました。