この人に聞きたい:第947回
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日本最大のアトランティックサーモンの閉鎖循環式陸上養殖施設 |
ニールセン社長 2015年からプロジェクトを計画して9年以上経過する。22年10月に卵を入れて約2年。ようやく出荷サイズまで魚が育ってきた。プロキシマーとしても非常に大きなマイルストーンと言える。日本国内では最大のサーモン陸上養殖プロジェクトで、世界的にも非常に注目されている。
顧客からの期待感も強い。多くの方々に興味を持って頂いていることを心強く感じており、出荷が待ち遠しい。
育っている魚の出来栄えにも自信を持っている。身色も十分、見た目もよく、すべて順調に進んでいる。
生産にたずさわっているスタッフ全員、一丸となりていねいに育ててきたため、初出荷を待ち望んでいる。初出荷は感慨深く、大きな節目となる。
国産・富士山を訴求/日本での販売に注力
――販売の見通しについて。
ニールセン 販売開始に向けてブランドネームをもうすぐ発表する予定。当施設の立地と関係のあるような名前になる可能性が高い。
販売の見通しは非常に良い。国内外から注目されているので、販売については順調に行くと思う。生産数量が限られているので、日本市場での販売に注力していく。ニーズがあれば将来的には輸出も検討したい。
――どの部分をアピールして差別化するか。
ニールセン 国産である点、富士山のふもとで生産している点は訴求ポイントになる。また、地産地消で鮮度が良いアトランを安定供給できる点をアピールしたい。
日本ではたくさんの国産・輸入のサーモン、トラウトが販売されているが、当社の魚は日本で唯一の国産アトランティックサーモンであることが最大の売りと言える。
――今後の日本におけるサーモン需給の見通しについて。
ニールセン 需給バランスについてはあまり心配していない。日本の需要は落ち着いているが、世界的に見ればサーモン市場は拡大している。日本でも若い世代中心に非常に人気があり、今後さらにマーケットは広がると思う。日本では天然魚の漁獲量が減っている中、サーモンは強い商品力を持っている。
サーモン全体の生産量が増えたとしても、それ以上にアジアなどでの需要は急成長している。日本を拠点にサーモンを養殖することで、拡大するアジアの需要を満たすこともできる。
地域のためになる事業に/ふるさと納税も検討
――地域への貢献について。
ニールセン 地域との関係性は良好だ。当社の基本方針として、できる限り地域のためになる事業にしたい。小川町のふるさと納税の商品提供なども求められているので検討したい。地域での雇用も増やしたい。
――第2フェーズについて。
ニールセン まだ言及するには早いが、前向きに検討していきたい。まずは初出荷に注力して成功させることが優先。ただし、将来的に輸出などの可能性を考えると、第2ステージは大いにあり得るステップと言える。