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この人に聞きたい:第959回
(週刊冷食タイムス:24/11/26号)

要求を満たす対応力磨く

(株)ニッカネ 代表取締役社長  金田 陽介氏

(かねた・ようすけ)学卒後、国分グループ本社入社。フードサービス事業部で3年間勤務後、ニッカネに転じ実務を経験。副社長を経て2013年10月から現職。宇都宮市出身。1979年9月生まれ、45歳。中央学院大商学部卒。

自社都合に顧客を合わせず

 ニッカネ(栃木県宇都宮市)は前期単体年商が初めて300億円の大台を突破した。今期は創業50周年の節目を迎えた。来春には宇都宮本社を新設する。

 ――新宇都宮本社新社屋を来年3月に開設する。
 金田 現社屋が老朽化し手狭になったから新設するのではなく、さらなる対応力と機動力の強化を目的とした当社グループのマザーセンターとなります。現倉庫の約3倍の広さとラック数を確保します。この保管能力を最大限に活用し、得意先が指定する食材をはじめ、さらに品揃えを拡充、強化し、給食向け食材のフルライン対応を行います。

 ――営業所倉庫が本社を含め16拠点ある。
 金田 新宇都宮本社のマザーセンターから各営業所にヨコ持ちをかけ、各営業所の在庫リスクを低減します。出荷頻度の低い商品についてはヨコ持ち機能を活用しながら、他の営業拠点の物流効率アップにつなげます。当社は常時7台の社内便が拠点間連携を担っています。このヨコ持ち機能を高めます。それがどのエリアでも同商品を同一価格で届けることができる当社の強みになります。

 ――マザーセンターの設備は。
 金田 多様化する顧客ニーズに対応するため、各種マテハンを導入します。当社の納品先は365日朝昼晩の食事を提供する病院や高齢者施設が多くあります。マテハン導入によるセンターのシステム化といっても完全にオートメーション化することは敢えてしません。自然災害など有事の際、人手で出荷できる、対応力の高い物流システムを構築します。
 小分け機能も強化します。お客様からの注文に応じて、細かな食材対応が可能になるようリパックルーム(小分け作業場所)を設置します。こうして納品先で食材ロスが出ないようサービス力を高めます。

 ――新宇都宮本社に宇都宮支店、外食部、子会社のATACO、畑全を機能統合し、グループ事業の連携強化を図る。
 金田 統合により情報共有化をよりスムーズにすることで、対応力アップにつなげます。取引きのデジタル化も顧客目線で進める方針です。つまり自社の効率化のためにリードタイムの延長や配送頻度の低減、アイテムの絞り込みを行いません。営業所の広域配置やフルライン食材の一括物流も顧客のために具現化してきました。自社都合にお客様を合わせるのではなく、面倒に思いがちなところを懸命に取り組んできた結果が今にあると自負しています。

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