冷凍食品(冷食)・冷凍野菜・お弁当の売上・取扱ランキング・ニュース
|
|
|
|
|
|
この人に聞きたい:第960回
(週刊冷食タイムス:24/12/03号)
利益率重視へ姿勢転換
キユーピー(株) 代表取締役社長執行役員 高宮 満氏
(たかみや・みつる)87年入社。2012年研究開発本部長、13年執行役員、15年マーケティング本部長、17年ファインケミカル事業担当。19年上席執行役員。20年QPタマゴ社長。22年2月現職。1961年4月22日東京生まれ。東水大院修了。63歳。
低収益品の見直し「聖域なく進める」
キユーピーは新中期経営計画(25〜28年度)の説明会を東京都内の本社で26日行った。高宮満社長が説明に立ち、高収益体質への転換と成長領域への攻めの投資、財務戦略を重視する姿勢を改めて鮮明にした。 この中で国内事業は構造改革の一環として「ポートフォリオ経営を徹底する」と語り、低収益事業(利益率5%以下)の見直しと高収益事業(同10%以上)の強化を打ち出した。低収益事業については収益性を精査して事業単位、セグメント単位、シリーズ単位、単品単位で峻別するとし「マヨネーズ、ドレッシング、タマゴ加工品でも聖域なく進める」と強調した。 その上で新商品のアイテムを継続して絞り込み、付加価値の高い商品開発にシフトしていくほか、「テイスティドレッシング黒酢たまねぎ」や「深煎りごまドレッシングカロリーハーフ」「具だくさんレモンタルタル」など市場競争力が高く、今後も伸長が期待できる商品の育成に注力する方針を示した。 設備投資については新中計の4年間で1千億円を計画している。現中計に比べて300億円増の規模。内訳は国内の拠点集約と自動化・ロボット導入に550億円、新領域・IT環境に150億円、海外事業に300億円。 拠点集約は現中計ですでに5工場を閉鎖したが、新中計でも「さらに再編・集約を進める」とし、未来型の新工場建設とセットで進める考えを示した。 キユーピーは海外で稼ぐ力がこの数年間で急速に強まっており、新中計では最終年度の海外売上高目標を足元の2倍に近い1800億円に設定した。 この強気の姿勢に会場からは目標達成の根拠について質問が相次いだが、高宮社長は@5年間の年平均成長率が18%であることA米国の新工場が来年5月に稼働すれば需要増に対応できることB米国での配荷が大手スーパーを含め1万店に達したが、米国全土には大手クラスの店舗が32万店があり、拡大の余地は十分にあることなどを挙げて達成は可能と強調した。新中計の定量目標は売上高6千億円、営業利益450億円といずれも過去最高を掲げ、ROE・ROICはともに8.5%以上に設定した。
ロングライフ技術にも積極投資
説明会ではタマゴ加工品や惣菜の利益率向上にはロングライフ化が鍵を握るとの認識を示した。国内事業に550億円を投じる計画だが、製造現場の自動化・ロボット化と併せて商品開発のための研究、技術領域にも積極的に投資する。 高宮社長によれば、グループ会社でサラダ・惣菜製造を手がけるデリア食品(竹中成人社長)のポテトサラダの国内販売シェアは42%を占める。このブランド価値をさらに高めるために「原材料や配合、作り方にまで踏み込んで保存期間を延ばす」と語り、そのための投資は惜しまないとした。 キユーピーは長年の研究でタマゴ商品のロングライフ技術はすでに確立している。冷蔵60日間の市販用スプレッドを過去に売り出したほか、直近では「ネギダレで食べる ねぎ塩たまご」が冷蔵45日間と長く、「(売場で)少しずつ手ごたえが出てきた」という。業務用でも厚焼き玉子の新商品はこれまで2週間だった賞味期間を30日間に延長した。これによって工場出荷から遠方のユーザーに届くまでの間も鮮度を保持し、販売エリアの拡大につながるようになった。 ポテサラは食べ切りしやすい量目と手が出しやすい価格帯であることを理由に買い求める高齢者が増えている。家でポテサラを作らない家庭が増えたことも需要の伸びを支えている。ロングライフ化が実現すれば販売機会が増え、利益獲得に結び付く。高宮社長は「技術開発を徹底し、4年後に利益率が上がっている姿をイメージしている」と意欲を示す。
|
|
|
\ 13,200(税込み) |
\ 4,400(税込み)
|
\ 2,750(税込み)
|
|
\ 2,640(税込み)
|
|
|
|