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この人に聞きたい:第973回
(週刊冷食タイムス:25/03/11号)

家庭用と業務用のノウハウ共有

(株)ニチレイフーズ ライン&マーケティング戦略部商品第二部長  板倉 潤氏

(いたくら・じゅん)1998年ニチレイ入社。2016年業務用事業部商品部で商品企画を担当、22年関西工場開発グループ勤務を経て24年から現職。1973年10月30日生まれ、51歳。同志社大学経済学部卒。愛知県出身。

改編で商品開発機能に横串

 ニチレイフーズは昨年の組織改編で、業態を横断したカテゴリー戦略を推進するライン&マーケティング戦略部を新設した。家庭用・業務用の商品開発部門に横串を刺し、レシピやノウハウなど互いのリソースを共有した新商品を今春発表した。

 ――今春の新商品は何を担当?
 板倉 入社以来、ずっと業務用に携わってきましたが、昨年から家庭用も手掛けるようになりました。今春は家庭用の「極上メンチかつ」を担当しています。素材に使っているアンガス牛や、その肉の旨みを引き立てるスパイス・味付けのレシピなど、これまで業務用で培ってきたノウハウを活かした商品です。1個45gのため食卓のおかずはもちろん、弁当やつまみなどさまざまなシーンに使えます。

 ――家庭用と業務用の違いは?
 板倉 業務用はブランドが生活者に対し表に出ず、ユーザーのニーズに応える商売なのに対し、家庭用はブランドが前面に出て、パッケージを含め生活者に評価してもらう商売。「ニチレイ」の顔となる商品作りをするのは初めてなので、勉強になることが多く新鮮です。

 ――自身が担当した業務用の目玉商品は?
 板倉 なめらかなクリームと歯切れの良い衣の食感が特徴の「宮城県蔵王産ミルクのとろ〜りクリームコロッケ」です。なめらかでやわらかなクリームは水分を多く含むため、揚げている際に破裂する恐れがあります。そこでクリームの気泡を取り除く工程を加えました。新たに開発したパン粉とバッターで、中種の水分が衣に染み出すのを抑制しています。バッターで中のクリームを包むイメージ。時間が経過しても衣のサクサク感が維持できます。

 ――業務用の今後の施策は?
 板倉 昨年、当社がランダムに選んだ外食店100店に実施したアンケートでは、6割が冷凍食材を使っていませんでした。使わない理由に「提供すると加工食品だとわかってしまうから」という声がありました。つまり、外食店が求める品質に応えきれていないということです。簡便な商品でお役立ちするには、おいしさに磨きをかけると同時に、加工度のグラデーションの必要性を感じています。どの段階の加工度にニーズがあるのか検討していきます。
 例えばコロッケの中種だけ、ハンバーグなら生のパテ、あるいは表面だけを焼いた状態のパテなど、手作りから冷凍食品を使用したいと思っていただけるニーズを探りながら進めます。

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