この人に聞きたい:第976回
(週刊冷食タイムス:25/04/01号)
広域展開へ拠点新設検討
関東食糧(株) 代表取締役社長 臼田 真一朗氏
(うすだ・しんいちろう)東京理科大工学部卒業後、味の素入社。父親の満氏が経営する関東食糧に2000年入社、10年に副社長就任。満氏の急逝により13年12月から現職。1975年1月生まれ、50歳。
10年後の年商2倍増に
有力業務用卸、関東食糧(埼玉県)は創業55周年を今年迎えた。前期単体売上げ124億円を、10年後、250億円と倍増をめざす。そのため臼田社長は営業拠点の新設やM&Aも視野に構想を練っている。
――群馬県高崎市で展示会を先月26日に開いた。
臼田 群馬での開催は吉田食品(群馬支店の前身)の時を除けば2回目です。総合展示会を今年は群馬のほか、さいたま市で10月に行います。当社は本社を含め1都4県に営業拠点があります。そこで来年は栃木、千葉、東京でも展示会を実施予定です。
――茨城県には営業拠点がないが、今後、拠点を構える計画は?
臼田 現状は日本市場から2021年に撤退したメトロキャッシュアンドキャリーの営業拠点があった地域の外食ユーザーを深耕している段階です。将来的には茨城に営業所を設置する可能性はあります。メディカルケアを広域でカバーするためにも、営業拠点を新たに構えることを検討します。
――メディカルケア部の売上げ構成比は。
臼田 年商に占めるメディカルケア部の構成比は約4分の1です。構成比が年々高まっています。新たな取り組みとして、完全調理済み食材セット「メディデリ」の取り扱いを始め、高崎での展示会で初披露しました。
――今8月期の単体、連結業績はどうか。
臼田 上期9〜2月の単体売上高は2%増です。大口の外食ユーザーを失い、単体売上げは伸び悩んでいます。販路別でみると、メディカルケア部は老健関係の新規ユーザーを掴み、前年同期比8%増と好調です。またグループ会社でイタリアン食材卸のカワカミの売上げが2ケタ増となっています。単体、連結とも過去最高の通期業績をめざします。今期の定量目標は単体売上高135億円(前期124億円)、カワカミと山本水産を含めた連結売上高160億円(同148億円)です。
――中長期の目標を伺いたい。
臼田 10年後の創業65周年までに単体売上高250億円、連結売上高300億円の達成をめざします。単体売上高は前期比の2倍増とするのが目標です。そのためにも相乗効果や理念が合う企業があればM&Aも検討します。
――企業理念を伺いたい。
臼田 「人源」。人が源だと考えています。オンラインの取り組みも強化しますが、よりよい食空間を創造するのはAIやロボットではなく、人です。その認識のもとパートナー企業と前進します。