●日本アクセス 久喜低温物流センター開設 橋本武寿 (週刊冷食タイムス:25/11/04号)エリア配送担う主力拠点に 日本アクセスは首都圏の物流体制強化と中長期的な成長戦略を支えるインフラ整備の一環として、埼玉県久喜市に新拠点「久喜低温物流センター」を開設した。埼玉県加須市にある「フローズンマザーセンター」のサテライト拠点として、小売店向けなどのエリア配送を担う主力拠点となる。同社の低温物流施設としては最大級の規模。
11月9日発注分、10日納品分から稼働開始する。東日本営業部門埼玉支店の管轄下に置く。 フローズン21万ケース、チルド5万ケースの収容能力を備える。地上3階建て、敷地面積約5300坪。3階はフローズン庫、2階はフローズン庫とチルド庫、1階は荷捌き場として主に機能する。センター内には休憩室や採暖室も設け、従業員の労働環境にも配慮した設計とした。 久喜低温物流センターの中核設備として、ダイフク製の冷凍対応ケースシャトルを導入した。入庫から保管、出庫までを自動化し、店舗別・カテゴリ別の順建て払い出しにも対応する。 平置きロケーションからシャトルラックへのグロス投入も可能で、柔軟な運用を実現する。処理能力は保管約1万3000ケース、搬送3000ケース/時、出荷2500ケース/時。1階にはシャトルラック6台(計1万3464ケース)、ケース投入コンベヤ2ライン、出庫コンベヤ6シュートを配置。2階と3階にはそれぞれケース投入コンベヤ3ラインを設置。さらに、3階のフローズン庫には電動パレットラックを設置し、保管効率を一段と高めた。 冷却設備には、前川製作所製の高効率自然冷媒冷凍機「NewTon(ニュートン)」を採用。環境負荷を抑えながら、省エネ性能を高める。 マテリアルハンドリング機器は、入荷検品、ピッキング、出荷検品、ロケーション検索、棚卸などの機能を持ち、パソコンとシートプリンターを搭載した日本アクセス独自開発のマルチカート「AMC」を導入した。 このほか、同社システム「Captain」と各種マテハンとのデータ連携の中継役となる倉庫管理システム(WMS)や、デジタルアソートシステム(DAS)なども取り入れた。ピースピッキングやケースピッキングに対応し、作業精度と効率向上を図る。 庫内作業を可視化するツール「Logimeter」、配送車両の稼働時間や納品時の滞店時間などを見える化する「MOVO」、入荷受付けとAMCを連動させて詳細データを取得・表示する入荷管理システムなども活用。現場の状況をリアルタイムで把握し、人的ミスの削減と物流品質の強化に寄与する。これらの設備投資は、物流業界が直面する人手不足への対応策であり、持続可能な物流体制の構築をめざす。 低温度帯商品の安定供給を強化
同社はエリア別の市場動向や人口変化、得意先戦略などを踏まえた中長期的なロジスティクス戦略に基づき、全体最適を追求した物流体制の構築を進めている。首都圏(東京・埼玉・千葉・神奈川)では既存拠点の狭隘化が課題となっており、久喜低温物流センターはその解消と、将来の成長を支えるインフラに位置づけている。 |
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