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今週の一本

●NTTG&F 磐田に陸上養殖プラント竣工  金村詩恩 (週刊水産タイムス:24/12/09号)

シロアシエビ年間110t生産

稚エビを育てる養殖施設
(静岡県磐田市)
久住社長
 NTTグリーン&フード(東京都千代田区、久住嘉和社長)の磐田プラント(静岡県磐田市)が3日竣工した。国産のシロアシエビを年間110t生産する国内最大級の陸上養殖プラント。同社と静岡県磐田市、NTT西日本で陸上養殖に関する連携協定を昨年10月に締結し、建設を進めていた。エビの陸上養殖を通じて地域活性化をめざす。
 竣工式で久住社長は列席した関係者に謝意を示した上で、「磐田プラントでは今後様々な問題点が出てくるかもしれないが、社員一丸となって事業を進めていく」と挨拶した。
 NTTグリーン&フードは国産エビの陸上養殖を行っている海幸ゆきのや(静岡県磐田市)を8月1日に完全子会社化し、磐田プラントと合わせて年間約200tのシロアシエビを生産する国内最大規模を誇るエビの陸上養殖事業者となった。

クラウドで水質管理

 磐田プラントで養殖するシロアシエビの種苗はリージョナルフィッシュ(京都市)が提供。種苗を稚エビ養殖施設で約1cmまで成長させた後、完全閉鎖循環方式(RAS)か、バイオフロック方式の飼育層に移し、約4カ月間育てる。
 RASは水を循環させながら養殖し、バイオフロック方式は水槽内に微生物の集合体を浮遊させながら水質を浄化し、エビを育てる。どちらの水槽も地下海水と地下淡水を混ぜ、28℃前後に保った温水を使用している。
 NTTコミュニケーションズ(東京都千代田区)が開発した管理クラウドを使用し、24時間体制で水温や溶存酸素などの水質をチェックする。水質に異常があった場合、メールか電話でアラートが届く。

「幸えび」と「福えび」を養殖

 磐田プラントで養殖したシロアシエビは「幸(ゆき)えび」「福えび」として商品化する。
 海幸ゆきのやのブランドエビ「幸えび」はRASで養殖している。プリっとした食感と濃厚な旨みが特徴。加熱すると鮮やかな赤になり、頭から尻尾まで殻ごと食べられる。
 「福えび」はバイオフロック方式の水槽で育てた新ブランドのエビ。透明感のある白い身と雑味のない甘い味わいが魅力。生食できるように出荷前はエサ抜きを行っている。
 同プラントでは約30gに育てた「幸えび」「福えび」を今年度内に出荷する計画。

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