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今週の一本

●食の安全性、再び注目 編集委員:佐藤巳喜夫(週刊冷食タイムス:05/06/28号より)

BSE、鳥ウイルス、157が連続
品質保証に各社躍起 コスト高必至

米国でBSE感染牛が発見されたのに続き、国内で鳥インフルエンザウイルスの感染とO-157食中毒の発生が先週相次いだことにより、再び食品に対する消費者の不安が増大しており、冷凍食品の消費にも影響を与えかねない。製品の安心品質保証体制の確立が一段と重要な事業ポイントとなることは間違いない。しかし安全対策にはコスト負担が伴うが、冷凍食品の事業背景としてはこれに諸原料高騰という要素も大きくのしかかっており、冷凍食品関係企業の事業収支は益々厳しいものになりそうだ。

BSE、鳥インフルエンザとO-157はほぼ同時期に発生したことが食品の安全性を再びクローズアップすることになった。
 米国で二例目のBSE牛の感染を農務省が明らかにしたのが日本時間で25日。北海道の特別養護老人のO-157食中毒発生と茨城県の養鶏場の鳥インフルエンザ発見が26日。いずれも週末のため、茶の間でニュースに触れた人が平日より多かった。
 しかも米国のBSE牛では農務長官が牛肉の安全性リスクが極めて少ないことを強調するため「牛肉を食べるよりも、牛肉を買いにスーパーに行く途中で交通事故に遭う危険性のほうが高い」とコメントし、逆に安全性の関心を呼び起こすことになった。発見場所を公表しないことも不安を倍化させることになった。
 北海道の特老では高齢者二名が死亡し、食の安全性の重要性とともに、対処を誤った場合の怖さを消費者に強く印象づけた。
茨城県水海道市の養鶏場の鳥インフルエンザについては農水省が弱いウイルスであることをアピールしているが、発生場所から半径五キロ以内の鶏卵、鶏肉の移動を禁止し、発生養鶏場の鶏二万五千羽を処分した。
 相次ぐ食品安全問題の発生に、メーカーでは原料入手ルートや品質管理体制を再び確認し、安心品質を確保するように改めて気を引き締めている。顧客からの問い合わせに対応できるような体制も心掛けている。
 しかし安全を確保するためにはコストアップが避けられず、組織対応を進める大手企業に対し、特に中小にとっては一段と難しい経営環境を強いられている。


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