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今週の一本

●スーパー冷食売場 脱割引を卸と協働で  佐田秀剛 
(週刊冷食タイムス:05/07/26号より)

三位一体、知恵を結集

スーパーの冷食売場で「脱全品割引」を進めるチェーンは卸、メーカーとの協力体制を強めている。特に卸の存在は大きく、スーパーと卸が強固な信頼関係で結ばれ、卸が徹底的に細かくフォローすることが「脱全品割引」の実現には不可欠となっている。
 四年前から冷食全品割引を廃止したイズミヤは取り引き卸のカネショーの機能を十二分に発揮している。イズミヤではカネショーと有力メーカーでの会議を定期的に実施。「イズミヤの冷食売場はどうあるべきか?」を考えていく中で、様々な販促企画を実施。イズミヤやメーカーから出た意見をカネショーが売場展開できるように落とし込み、販促物の準備にも細かく対応してきた。「店のフォローのためにもカネショーさん、メーカーさんの力を借りてきた。こうして売場の担当者の冷食に対する意識が高まった」(田渕正純日配部長)という。一昨年から全品割引を廃止したダイエーは、ナックスナカムラをまとめ役にして、メーカー参加型のフローズンフェアやD−CRM(ダイエーカスタマーリレーションシップマネジメント)などの様々な戦略を実施。「フローズンフェアの効果で客数減の中でも前年実績をクリアできた。ナックスさんをまとめ役にしてメーカーさんとのコラボレーションを強化してきたことで、売場担当者の意識も飛躍的に向上してきた」(芝尾昭治マネージャー)。ダイエーでは月一回ナックスナカムラのテストキッチンで自分たちで店内放送用のメニュー紹介DVDの撮影なども行い、来店客へ冷食認知度向上を目指している。「ナックスさん、メーカーさんと協力して冷食の優れた部分をもっとアピールしていきたい」(同)。首都圏の有力チェーンである東急ストアは月一回の全品割引は実施しているものの、“冷食の価値訴求”を図るために取り引き卸のセントラルフーズをまとめ役にメーカー数社と意見交換会を三月から行っている。「みんな“このままでいいのか”、“なんとかしたい”という思いがある。東急ストアの冷食売場をどうよくしていくかについて、本音で語り合う場所が必要だと感じた」(西山誠一日配食品部課長)という。価格提案だけでない冷食売場作りは、商談ベースから一歩踏み込んだ卸・メーカーとの関係構築があってこそ実現できる。今後も同様の取り組みが増えそうだ。


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