●会社の理念は語り継げ先日、熊本の業務用食品問屋ハウディの設立45周年パーティーに出席したとき、創業者の息子の富永征男会長、晃夫社長が述べた挨拶が強く印象に残った。 次男の現社長は「世の中で一番尊敬する父」と述べた。創業者で故人の富永朔夫氏のことである。その父が自らの信条を企業の理念にしていた。 曰く、人との縁を大事にせよ。謙虚たれ。何事も感謝を忘れるな。日々努力するしかない。世の中のために貢献せよ。すれば利益は後からついてくる。夢と希望を忘れるな。それを社員に話し続けよ。 創業者がみずからにこう言い聞かせながら日夜仕事に励んだ。兄征男会長が社長時代の18年間、社員に語り続け、晃夫現社長も同じように唱え続けている。 「こういった精神は会社のDNA(遺伝子)として今も脈々と生きている」と挨拶で述べていた。 大企業においても社是や企業理念、もっとカッコよくCI(コーポレイトアイデンテティ)が奉られている。しかし、日常生きた教えとして繰り返し語られているかといえば、多くは疑問符になってしまう。 始めにことばありき。創業者がその言葉を飾り物にせず、仕事の中で生かしきり血を通わせたからこそ、二代目三代目が尊んでいるのであろう。
|
||