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今週の一本

●進化する中国の冷食工場 去石 誠一
(週刊冷食タイムス:06/04/18号)

中国市場の可能性は無限

巨大な胃袋を巡り競争し烈 外資の進出もグローバルに

 中国の冷凍食品工場は毎年のように進化を続けている。激変する中国市場に合わせて、生産拠点も変貌せざるを得ないという訳だ。世界規模で進む食品原料の高騰は、食品の生産拠点「中国」を直撃する。エネルギーコストや人件費など、あらゆるコストが上昇している中にあっても、中国市場の可能性は無限。中国という巨大マーケットに攻め込もうと、グローバルな戦いは既に始まっている。中国政府が市販用食品・飲料に義務付けた「QS(Quality Safe)」マークの普及も進んでいる。中国国内でも食品の安全に対する関心が高まり、不適切な食品の排除に国が動き出したもの。底知れぬ深さをもつ「中国の胃袋」を巡り、食品メーカーは攻め続ける。

 中国に進出する冷凍食品メーカー各社は「疲弊する日本市場でこれ以上の数量拡大は難しい」と判断、内販事業に力を入れている。「中国で生産し、中国で売る」ということだが、障害は少なくない。

 まず誰もが口にするのが「債権管理の難しさ」。大きな仕事が決まっても、代金を回収するまでビジネスとしては成り立たない。リスクを持ったまま仕事を進めるか、コストがかかっても商社や問屋を経由してリスク回避するかの選択だ。

 仮にリスク回避したとしても、競合他社は数限りなく存在する。余分なコストをかければ、その分だけ価格面で不利になる。しかも競争相手は日本企業だけではない。もちろん中国企業が黙っているはずもない。

輸出用と内販用ラインは別々に

 もうひとつ、生産面での難しさもある。厳格な品質管理を徹底している日系の食品工場では、コストがかかり過ぎて低価格帯の商品を製造するのは無理。中国企業と戦う以前の問題だ。また「別々の品質基準を同一の工場内でもつことは不可能。輸出用と内販用のラインは一緒に組めない」という事情もある。

 両者を厳密に分けなければ、一定の品質を保つのは無理。分けるのは工場ばかりでなく、従業員も別にしなければならない。でなければ「二種類の法律で国を統治するようなものになる」からだ。当然、利益の見通しが立たなければ工場の区分も難しい。

 しかし誰もが語るように、目覚しい経済発展を遂げる中国は、限りない可能性を秘めた巨大マーケット。欧米企業を含めて各国が狙っている「今世紀最大の巨大マーケット」である。先行者利益を求めて、グローバルな戦いが始まっている。

 仮に日系企業に限定しても外食チェーン店、大手量販店、CVS、食品メーカー――と、各社の中国進出の話題は事欠かない。全てが成功を収めている訳ではないが、新たな可能性を夢見て中国に進出する企業は後を絶たない状況だ。

 食品メーカーの現地進出に伴い、パン粉や小麦粉などの関連資材も増加。これまでは日本から輸入していた包装資材なども、現地生産・販売の方向にある。こうした関連企業もまた日系企業だけを相手にしているだけでは将来性はない。すでに世界各国との競争はスタートしている。

 北京や上海などの都市部ばかりか、地方都市でもCVSの台頭が目立つ。〇六年三月末現在で、中国に進出するセブン‐イレブンは九百十六店、ローソンは二百七十九店。ファミリーマートは二月末現在で百一店で、日系大手三社だけも約千三百店という規模になる。しかも出店速度は加速している。

原料の高騰も見逃せない問題に

 原料の高騰も見逃せない問題だ。水産原料は軒並み高騰。実際、日本企業が中国企業に買い負けているのは事実。そればかりか、日本で漁獲した水産物でさえ、中国企業に買われているのが現実。相次ぐ鳥インフルエンザの発生で、鶏肉相場は乱高下。輸入額が輸出額を完全に上回った中国で、今後も原料価格が安定して確保できる保障は皆無に等しい。


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