●ファイネットの情報サービス利用企業、データ件数が大幅増小売にも広がる業界共有の情報インフラ会社(株)ファイネット(社長=浦野光人ニチレイ社長)は引き続き前期も実績を大きく伸ばし、情報系インフラに対する業界の期待が大きいことを改めて示した。今年は主力業務の商品流通VANでメーカー、卸と取り組みを強化し、データ件数、接続数の安定的拡大を図るとともに、FDB(ファイネット・データベース)事業では参加メーカー、卸の拡大と、〇七年に導入・切り換えが行なわれる「GTIN」コードへの対応を図る。 ファイネットを経由したデータの利用企業、利用データ件数が大幅に拡大したことに伴い、同社の前期売上げは前年比10%増の十七億三千万円となり、三年間で一・五倍に伸びた。加入企業数は三年間で一・四倍。データ交換件数は合わせて十二億件を超え「月間一億件という大きなベースになってきた」(浦野社長)。 業務の多くを占める「商品VAN」は導入が容易で低コストのWebEDIサービスの新規加入が引き続き伸びている。前期はこのサービスに加入したメーカーが五十一社あり、WebEDIの加入メーカーは六百四社と大台を突破した。 このWebを使ったメーカーのEDIサービスは、ホストコンピュータ経由を含む全加入メーカーの56%と過半数になった。WebEDIの利用はメーカーのほかに卸が四十三社あり、WebEDIで業務をカバーしている企業は合わせて六百四十七社となる。 データ交換件数としては「照合業務」の利用が増加している。出荷案内の買掛照合データは前年に比べ9%増。特にWebを使った中堅メーカーの利用が拡大している。販促金の入力・照合データ交換は49%増とさらに増加の勢いがある。この販促金データ交換は五年間で八倍に増えた。 FDB(ファイネット・データベース)事業は市販用商品の登録内容が向上し、小売業としては初めてユニーの加入、利用が始まった。有力卸が「FDBの画像活用」を共同で宣言したことも登録内容アップにつながっている。 FDBの商品登録数は7%増の四万五千三百四十八件。このうち画像付商品登録は29%増の二万二百三十件で、画像総登録数は31%増三万八千二百六十七件に拡大した。FDBを利用することにより、メーカー、卸の「手入力」項目が八割削減できた。 今期は次の四点を重点活動テーマとしている。 (1)商品流通VAN=主要メーカー、卸との取り組み強化を中心に、データ件数、接続数の安定的拡大を図る (2)FDB=参加メーカー、卸の拡大、GTINコード導入への対応 (3)標準化推進=標準化推進会議の着実な前進を図る (4)情報セキュリティマネジメントレベルの一層の向上を図る
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