●市場卸への期待:製鉄業界では世界1位と2位企業が合併する。実現すると粗鋼生産量で新日鉄の3倍規模の巨大鉄鋼メーカーが出現する。このような巨大再編は世界の様々な業界で繰り広げられている。翻って、日本の市場流通卸の再編は遅々として進んでいない。 一方、食品卸は最大手の国分が三井食品と提携、菱食はRYフードサービスを統合、日本アクセスは伊藤忠商事の子会社となり西野商事を統合するなどの再編計画が目白押しだ。まさに食品卸業界は風雲急を告げている。 これに対して市場卸はどうか。マルハが主導して九州北部の市場卸の再編を行い、いままた大阪魚市場を軸にした近畿地区の再編に着手している。しかし築地市場卸の再編はまったく不透明である。各社各様の思惑があって先鞭を切るところがでない。今こそ思い切った再編を推し進めるべき時ではないか。 それでなくても食品卸に比べて市場卸は総合力で見劣りする。再編の先行により彼我の差はますます広がるだろう。 築地の市場卸は再編することで国内外の調達力、情報力、人材力、提案力などをパワーアップできる。量販店や大手外食チェーンなどの要求に応え、時には専門家として彼らをリードする存在になるべきだと思うのだが。
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