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今週の一本

●北海道のブランド力が向上  高橋 尚徳
(週刊冷食タイムス:06/10/17号)

 安心安全な食品へのニーズから派生した国産品志向の高まりが言われるようになって久しい。中でも「北海道産」ブランドが見直されるようになった。今や全国の百貨店、スーパー、コンビニエンスストアでは「北海道フェア」が集客の目玉として欠かせなくなっている。

 冷凍食品に目を向けると、道内の企業は大手メーカーのOEM(相手先ブランドによる生産)が中心ではあるが、量販店のPBまたは自社ブランドの生産をめざす動きも出ており、これらを上手く組み合わせて収益の向上をめざしている。

 生産品目も原料に近い形から、加工度を上げた付加価値商品や、斬新なアイデアをプラスしていくことが求められている。一例はコープさっぽろが昨年発売した、道内産の原料を使った「コロッケde北海道」。ダウントレンドと言われている冷凍コロッケが爆発的な人気を呼んでおり、まだまだ商品開発の余地が残っていることを示した。

 海外への発信も加速しそうだ。すでに中国、韓国、台湾、シンガポール等では、北海道の農産物や乳製品の品質、安全性の高さが評価されているという。アメリカや韓国に商品を供給しているサンマルコ食品は「まだまだ数字は低いが、チャレンジはしていきたい」と積極的な姿勢を見せている。また、北海道庁も台湾の大手問屋を通して現地のバイヤーに、食品を中心とした道内産品を紹介する事業の準備を進めている。

冷食生産量は受注増

 (社)北海道冷凍食品協会(札幌市、福井努会長=びえいフーズ社長)の集計によると、昨年度の北海道の冷凍食品生産量は21万1428t、前年比3.8%減となった。調査対象は57社。コーン等が天候不順の影響で減少したものの、国内農産品の需要増で注文は増えている。同協会は「今年度は5%ぐらい増えるのではないか」と見ている。

 農産品は4.5%減だったが、かぼちゃダイスカット(66.6%増)、ポテトフライ(102.7%増)、枝豆・大豆(112.3%増)、いんげん(136.5%増)が大きく伸びた。

 最近では、これまでの「北海道産」というくくりから一歩踏み込んで、「富良野産」、「十勝産」、「美瑛産」など地域色を前面に出して顧客にアピールする動きが見られるという。

 需要があっても天候の影響が避けられない農産品は、コーンが19.3%減。低温の影響を受けて、特に軸付コーンが38.3%減と落ち込んだ。
 調理冷食は3.5%減。その他の麺類(303.0%増)、ハンバーグ・ミートボール(192.3%増)等が大幅に増えた。


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