●欧州で「寿司」人気沸騰外食、小売が扱い競う好みは鮭と巻物 本紙SIAL視察団が確認欧州で寿司の人気が沸騰している。地方都市にも寿司店が相次いで開業し、小売店では寿司パックのほかに、米、のり、巻きすのこまで揃えて販売している。しかも、従来見られた特殊な「日本食」コーナーの扱いではなく、どこにでも見られる光景となって浸透、定着してきた。いまや「寿司ブーム」はホンモノと現地関係者が認める。寿司人気と併行して欧州の魚食需要も間違いなく高まっている。水産タイムズ社が主催した「SIAL欧州視察団」一行が18日から26日まで各地を回り、確認してきた。 視察したフランクフルト(独)、チューリッヒ(スイス)、ベルン(同)、パリ(仏)では全ての街に寿司店があり、小売店では寿司と関連品を扱っていた。 寿司店は必ずしも日本人の経営に限らず、中国、韓国などアジア系経営者と従業員によるものが少なくない。ラーメンや和食、焼鳥などの店が新たに寿司を打ち出すところもある。回転寿司の業態も増えている。 概して脂っぽいネタを好むため、鮭(サーモン)が一番人気だが、まぐろも多い。えび、魚卵(とびこなど)、サラダ、アボガドなどの巻物がもう一つの寿司の人気。サーモンとロールのセットが平均的なメニューという。 フランクフルトの寿司バー「KAMON」は回転寿司とラーメンがメイン。いか、たこなどが一皿一カン2.4ユーロ(約360円)、ロール2.9ユーロ(435円)、まぐろ3.9ユーロ(585円)。 小売店でも寿司は定番。スイス全土をカバーする二大勢力の「ミグロス」と「コープ」は全店で寿司を販売している。ロール4個と握り8個に太巻きが付いて19.5スイスフラン(1950円)。専門の協力工場で生産し、各店舗に供給する。コープでは四年前から寿司の扱いを始めたが「売上げは伸びており、のりなどの関連商品も売れる」と店長が証言する。 大都市のデパート地下、駅地下商店街、空港食料品店街などでも寿司は必ず見かける。郊外の小さな食品市場では年配の欧州人がはしを上手に使って寿司をつまむ姿を見かけた。 冷凍寿司も多くの売場で扱っている。欧州のメーカー品が多いが、中には南米から輸入した冷凍寿司セットもあった。
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