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今週の一本

●06年凍菜輸入量83万t 過去最高  高橋 尚徳(週刊冷食タイムス:07/2/6号)

前年比5.8%増、金額は2ケタ増に

 2006年の冷凍野菜輸入高は5.8%増83万1848tとなり、3年連続で過去最高を更新した。金額は円安の影響で14・6%増1228億9千万円と数量の伸びを上回った。国別の輸入数量は中国産が全体の45.5%と最も高かった。財務省が1月30日に発表した。
 06年の数量はポテト7.2%増、コーン0.5%増、さといも8.1%増、ブロッコリー7.3%増、混合野菜5.3%増、その他の凍菜10.2%増。
 ほうれん草は0.9%減。1位中国が1万4732t(23.7%増)、2位ベトナムが3827t(34.7%減)、3位台湾が1792t(31.6%減)だった。
 昨年5月にポジティブリスト制が施行された。輸入数量は4月12.7%増、5月24.5%増と駆け込み需要と思われる動きがあった。6月も0.9%減と前年実績は下回ったものの、予想に反して強気の扱いだった。
 国内では、食品の検査・分析機関、(財)食品分析開発センターに残留農薬の検査申し込みや問い合わせが殺到。施行後も検査は順番待ちの状態が続いたという。
 12月単月は数量0.9%増7万1408t、金額3.6%増105億0471万円だった。ポテト2.5%減、豆類5.7%減、さといも8.8%減、ブロッコリー10.4%減と軒並み前年実績を割り込み、大きく伸びたほうれん草(113.2%増)と混合野菜(13.9%増)、その他の凍菜(2.8%増)が落ち込み分をカバーした。

中国産ほうれん草が回復傾向

 ほうれん草の過去五年の推移を見ると、02年のトップだった中国産が、輸入自粛指導が解禁になった04年6月以降、順調に回復している。また、アメリカ、チリ産が06年では姿を消し、中国、ベトナム、台湾の3カ国で九割以上を占めるまでになった。

枝豆は前年割れ

 枝豆は中国、台湾、タイ産が大半を占めている。01年の7万7000tをピークに02年以降は6万t台後半で推移している。中国産は価格訴求力があり、台湾産は品質の良さを武器に機械化、大規模農場化を進めて生産性の向上に力を入れている。06年は前年実績を割り込んだが、大手の日本水産は市販用冷凍枝豆の売上高が前年比10%増と好調だった。市場は茶豆や黒豆といった高品質商品に需要がシフトしているという。

ポテトは堅調

 ポテトは米国産が23万7158tと群を抜いており、全体でも300億円を突破して堅調に伸びている。3位の中国は数量こそ米国産のおよそ20分の1に過ぎないが、06年は前年比39%増と大きく伸びている。一キロ当たりの金額は米国産が9000円なのに対し、中国産が8700円と優位に立っている。主力品にはすべて米国産を使うハインツ日本は「フライドポテトには米国産のほうが向いているのでは。中国産は全く経験がない」という。


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