●ニチレイ 孤独な戦い販促金控えたら減収の手痛い現実売場の“言いなり”でいいのか 改革の好機逸する懸念ニチレイフーズの冷凍食品が苦しい展開を強いられている。中でも市販用は上期の売上げ7.9%減からさらに悪化し、第3四半期(10〜12月)は13%減と割り込み幅が広がった。値引き販売是正のため販促費を見直しているのに対し、売場の抵抗感が強く、店頭フェイスが減って売上げに大きく響いているもの。値引き販売を是正するための同社の取り組みは多方面から評価されているが、歩調を合わせて販促費改善に正面から乗り出すメーカーはなく、ニチレイFの孤軍奮闘状態。構造改善はこのままでいいのか、懸念される。 恒常的な値引きに頼る異常な市販用冷食市場で適正な利益を確保するのは難しい。しかも食料の世界的需給バランスの変化で原料高騰が大きな問題となり、収益を改善する手立ては急速に狭まっている。 ニチレイフーズは市場構造の改善に一昨年暮れから取り組んだ。販促費の見直しで実質的に協賛金のばらまきを抑え、絞り込んで使うように切り換える一方で「上等」シリーズ、「気くばり御膳」など価格で売らず冷凍食品の優位性を追求した上質商品を投入した。 それでも販促費見直しに伴い、上期の市販用は営業利益の増益を維持していたため「是が非でも下期は増収回復する」ことで増益基調を強化するはずだった。 このままでは売場の「言いなり」になったところが勝ち、是正努力したところは報われないというゆがみだけが残る。市場構造を改善しなければならない重要な岐路に当たり、業界関係者の選択が問われている。
|
||