●タイの冷食生産原料で優劣鮮明にバーツ高、ポジリス制でタイの日系冷食メーカーは欧米に輸出している企業が大きく伸びている。水産食品の需要が拡大基調にある欧米向けが好調な一方で、日本向けを主とするメーカーは、好調なチキンを除きほぼ横ばい状態の企業が多く、昨年来の円安とバーツ高の影響もあり、欧米と比較した水産原料の仕入れ力の弱体化が課題となっている。 欧米向けを顕著に伸ばしているのがテップキンショーフーズ。日本の株主企業が撤退し現地資本系になってからは売り先が縛られなくなったこともあり、毎年のように事業規模を拡大し、昨年の売上げも2億バーツ(約7億円)増の16億バーツだった。米国向け販売構成比は54%と前年より7ポイント増えたのに対し、日本向けは絶対数こそ減っていないものの、構成比は8ポイント減の29%に減った。白身魚のフィレー加工も、原料仕入れは基本的に受注する米国企業持ちなので、原料値上がりの影響も少ない。 一方、日本向けを主とするメーカーは、水産原料の不足とバーツ高で厳しさを隠せない。 バーツ相場は3.4〜3.5円にも跳ね上がっているが、これは昨年同時期に比べ0.6円の上昇。バーツは独歩高なので条件は欧米も同じとはいえ、円安が影響した日本ほどではない。 新製品に切り替え価格を調整しようにも、昨年スタートした日本のポジティブリスト制が足かせになっている部分もある。タイは食材が豊富とはいえ、ポジリス制にあう履歴や安全の証明を原料仕入先に求める段階で断られることもあるという。 規格の厳格さも以前から指摘されてきた日本の弱点。品質的には問題がないアメリカ向け商品も規格のバラつきがあるだけで日本では売れない。 |
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