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今週の一本

●水産物輸出に取り組む 辻 雅司(週刊水産タイムス:07/07/02号)

JF全漁連・服部新会長が抱負

経営改革、不振漁協対策、丸一氏当選を

 JF全漁連の服部郁弘会長は6月28日、会長就任の記者会見を行い「植村前会長の路線を踏襲し、(1)全漁連の経営改善計画を早期に達成する(2)不振漁協対策を進める(3)7月の参議院議員選挙に丸一よしのり氏の当選をさせる――を最優先して取り組んでいきたい」とした。

 服部会長はまず沿岸漁業について「資源が枯渇しており、稚魚が育つ場所が悪化している。海底をビニールが覆っており、これでは稚魚が育たない。漁場環境の改善、保全を行い魚が棲める海に取り組んでいかなければならない」とした。また、漁協については「漁協合併を進めているが、合併による効果を高めるためにも、漁協自身が儲かるようにしなければならない。私の漁協では産地市場の運営経費が出ないことから、漁協職員が外販を行い大阪の量販店への直販や配達などを行い2億円の扱いで2350万円を稼ぎ、これによって産地市場の運営経費を稼ぎだしている。この外販は一人の職員で行っている。以前は買参人の中に大阪など大都市へ品物を送る業者が数人おり、これが価格を支えていた。しかし、高齢化でそうした人がいなくなったため、漁業者にとって産地市場は魅力がないものとなっている。産地市場の活性化やこれに代わる販売チャネルの構築は漁協と漁業者にとって大きなテーマだ」とした。

 さらに「安定した漁家の経営がなによりの課題だ。共済制度による安定化対策が20年度から実施することが見えてきており、充実を図っていきたい。私の子供2人も漁業を継いでおり、子供達が安心して漁業ができるようにしていかなければならない」。
 加えてWTOなど国際化については「水産物の輸入の問題もあるが、逆の日本からの輸出も考えていかなければならない。海苔は過剰生産にもかかわらず、中国からの輸入問題があるが、生産調整での改善の前に輸出を行っていくべきだろう。系統として輸出に取り組んでいきたい」とした。

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