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今週の一本

●最盛期の販売 過去最低 松田 陽平(週刊水産タイムス:07/09/10号)

鰻輸入組合が「夏の総括会議」

鰻輸入組合が「夏の総括会議」

 日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)は07鰻年度(昨年9月〜今年8月)を振り返る「夏の総括会議」を東京・日比谷の帝国ホテルで開いた。最盛期の7月の販売に大打撃を与えた中国産ウナギに対する風評被害や、最近報道番組で取り上げられた活鰻の偽装表示などの安心安全問題が議題の中心となった。同組合は安心安全確保に向けた対中・台との取り組みを積極的にアピールし、消費者の理解と信頼回復をめざしていく。

 風評被害の影響をあまり受けなかった活鰻の前鰻年度7月までの輸入実績は2万0741tと対前年比1714t増。8月分を含めて10〜12%増を見込んでいる。
 供給の多かった台湾産は安値で推移し、中国・台湾産の価格差が顕著に表れた。風評被害も一因となり、台湾産の活鰻輸入量(1万1421t)が圧倒的に中国産(9320t)を上回る結果となった。
 議題の中心は国産と輸入物の価格差(キロあたり300〜200円差)。「昔から輸入活鰻の品質は国産よりも上とされているが、輸入物が安いのはなぜか。正当な品質評価をしてもらえるように努めるべき」との声が上がった。

 一方、加工鰻は量販店をはじめ外食チェーンやコンビニの積極的な販売により、4〜6月の中国産蒲焼きの売れ行きは好調だった。一連の中国産食品に対する過熱したバッシング報道で状況は一転し、7月の売上げは過去最低水準に。特に、主婦が顧客の中心となる量販店での中国産蒲焼きに大きな影響が出た。外食店などの業務向けについては量販店ほどの打撃を受けなかったようだ。
 今鰻年度への繰越在庫は1万5000〜6000tと推測。日本での販売不振にもかかわらず、中国側は来期を見込んだ生産を進めた模様で「中国内に1万t程度の在庫があるのではないか」との予測も出た。

 森山理事長は「活鰻の産地偽装問題が表面化するなど、難しい舵取りが求められている。何よりも養殖場の安全性確保がカギ。ここ数年築いてきた信頼が壊れてしまったが、現地生産者や加工業者の安全対策が身を結んでいるのは確か。今年は逆風だったマスコミ報道を来年は追い風にしていきたい」と挨拶した。
 さらに森山理事長は今後の安全性確保に向けた取り組みとして、独自のホームページ作成や業界外の専門家の協力、定期的な記者会見の実施など、積極的に同組合の取り組みをアピールし、輸入ウナギの安全性を伝えていく方針を示した。

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