●取り戻そう!元気な水産地域活性化の主役へ
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漁村には魅力的な資源が存在する。
都市にはない自然、文化、歴史といった貴重な資源。漁民にとっては当たり前のものでも、都市住民にはとても新鮮に映る。今、その潜在的な資源を上手に生かし地域の活性化につなげようと、漁業者自らが立ち上がっている。
伝統漁法の伝承や漁村の町並み保存・活用、体験漁業、遊漁、海洋レクリエーション、観光漁業、漁獲物のブランド化、直販施設、レストラン施設。資源活用には様々な角度から取り組むことができる。千葉県の銚子市漁協外川支所では、地元で獲れるキンメダイ「銚子つりきんめ」のブランド化に挑戦している。
キンメのブランド化で地域を豊に
脂がたっぷりと乗った「銚子つりきんめ」。親潮と黒潮がぶつかり合う好漁場で丁寧に手釣りするキンメダイは新鮮で、他で揚がったものとは明らかに味が違う。甘くて後味の良い上質の脂は、強い旨みさえ感じさせる。
魚価低迷、水産資源の悪化に苦しんでいた外川では、主にキンメダイを漁獲している40隻の船団の漁業者が中心となって“キンメダイ・アカムツ研究会”を平成6年に発足。キンメダイをブランド化するための研究を開始した。
魚体を傷めないため、そして資源を守るため、漁法は“底たて縄”と呼ばれる手釣りに限定。40隻すべての船が丁寧な漁業を行う。陸揚げは釣ってから3時間以内。鮮度は抜群だ。
平成18年にはブランド化の第一歩として、「千葉ブランド水産物認定制度」に申請。資源活動への取り組みやPR活動が評価され、11月〜4月の間に獲れる700g以上のキンメダイが「銚子つりきんめ」として認定された。
外川の漁業者が際立つのは、抜群の行動力と結束力。「銚子つりきんめ」の資源管理やPRを漁業者自らが行っている。平成7年には「きんめだいまつり」をスタート。規模は年々大きくなり、最近では来場者数3万人を数えるまでに成長した。「銚子つりきんめ」の知名度は着実に上がっている。
現在、魚価は好調に推移。後継者も育ってきている。先にある目標は「銚子つりきんめ」の商標登録だ。