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今週の一本

●JT 焼成冷凍パン市場に本格参入 去石 誠一(週刊冷食タイムス:08/01/29号)

独自のTL(二段階長時間熟成)発酵法で

材料厳選、中国工場で手作り

 日本たばこ産業(JT)は焼成冷凍パン市場に本格参入する。独自の発酵技術やパン酵母に関するノウハウ、これまで蓄積してきた製パン技術を集大成して提案する。2月から業務用に新発売するのは(1)クロワッサン(2)胚芽ロール(3)ホテルブレッド――の3品。職人の味、本物のおいしさを追求する新しいブランド「ディライトベーカーズ」を立ち上げて投入する。JTのめざす「新しいカテゴリーへの挑戦」と「新しい市場の創造」を具現化したもの。中国山東省の子会社、威海佳康食品で製造する。

 今春投入する焼成冷凍パンは、JT独自のTL発酵法(二段階長時間熟成発酵法)でソフトな食感と風味を冷凍状態で一年間保つ。「液種」で約52時間、「中種」で約24時間かけてパン生地を発酵・熟成させてから、本捏・ミキシング、分割・成形、最終発酵、焼成、冷凍する。
 これに対し、一般的な製パン法である「中種法」は約6時間の熟成でスタートする。このため「既存の輸入焼成冷凍パンの多くはパサパサになりやすく、賞味期限は2カ月程度と短い」(JT)という。
 生地の分割・成形は一つひとつ手作業で行なっているため「(機械生産とは違った)表情のある形状で提供できる」(同社)のがポイント。同様の作業は「日本ではコスト的に合わず、現実問題として不可能」であり、中国だから生産可能な商品。
 完全焼成済なので、室温(25度C)で約3時間自然解凍するだけ。解凍後、クロワッサンはオーブン、胚芽ロールとホテルブレッドは電子レンジで温めるとよりおいしく食べられる。

 原料の小麦粉、バター、塩、水に至るまで「世界各国から安全なものを厳選して使用」(JT)。また自社工場で徹底した品質管理を実践している。
 同社ではホテルやレストラン、アミューズメントパーク、百貨店、宅配、機内食ルートなどに提案。「既にアナウンス先の反応が良く、販売計画を上方修正していく」方針。

 製造会社の威海佳康食品では、中国のインストアベーカリーや韓国のCVS、日本のサンジェルマン店舗向けにも一部冷凍パンを供給。JTでは冷凍パン生地市場は約1400億円、焼成冷凍パンは100億〜200億円市場と推定している。

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