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今週の一本

●ニチレイ 食品事業で欧州進出  高橋尚徳 (週刊冷食タイムス:26/03/31号)

低温物流のM&A知見活かす

 ニチレイはグループの次の成長に向けて食品事業と低温物流事業のシナジー創出を掲げている。欧州で成果を挙げている低温物流事業のM&Aの知見を活かし、食品事業で欧州進出をめざす。4月1日付で社長に就任する嶋本和訓取締役は24日の就任会見で「今、具体的に検討している案件がうまくいけば欧州進出になると思う。土台はM&Aを想定している。開示できるタイミングが来れば明らかにする」とコメントした。

大櫛次期会長(左)と嶋本次期社長
 嶋本新社長は「海外ではロジグループがM&Aを上手く活用して事業領域やエリア領域を拡大してきた。このノウハウを食品事業に水平展開する。特に食品事業での新領域拡大は持株会社(ニチレイ)の関与を一段強める」と明らかにした。
 ニチレイは4月1日付でCxO制(特定領域を統括する責任者)を導入する。海外投資案件の経験が豊富な久祐一取締役がCGO(最高海外事業責任者)に就く。
 また、4月の加工食品と畜産・水産事業の統合を踏まえた事業展開について嶋本新社長は次のように方針を示した。
 「調達から生産、商品開発、販売、低温物流までのフードバリューチェーンすべてにグループの機能が繋がる。グループ一体のフルシナジーが発揮できる、将来に繋がる総合的な成長ストーリーや付加価値が創出できる新たな事業モデルを作り上げたい。そのために国内における事業改革の中心は食品と低温物流の事業・機能・人材の組み合わせ、掛け合わせを醸成することと考えている」。
 ニチレイは長期経営目標「N‐FIT2035」を昨年5月策定した。2035年の財務目標は営業利益率10%、ROIC(投下資本利益率)10%、海外売上高比率40%、営業利益CAGR(年平均成長率)8%以上。2024年度の海外売上高比率は23.6%。食品事業の統合により、北米では水産品の販路拡大を見込んでいる。28年の稼働開始を予定している冷凍食品の新工場は最終的に200億〜250億円を投じる大規模な計画。アジアンフーズ全般を生産する。フル稼働すれば、現地の生産能力は3倍程度に高まるという。

3本柱の改革進めて100年企業に

 「N‐FIT2035」を実現し、100年企業をめざすために「経営改革」と「事業モデル改革」、「組織/風土改革」の3本柱で改革を進める方針を掲げている。
 「事業環境の変化の度合いやスピードが増す中で、愚直に計画に向き合うだけでは不十分。変化への即応力は競争力強化につながる。変化を前提に、常に進化し続けるため、新たなニチレイ型の経営サイクルに転換する。そのためには意思決定の迅速化や権限委譲が重要。
 グループ成長の再加速を進めるには持株会社、事業会社、従業員が三位一体となって1つのベクトルに向かい、連動する組織であることが不可欠。そのために昨年の創立80周年を機に、企業経営理念を刷新した。私自身もこのプロジェクトの中核メンバーとなり、延べ700名、加えて5千名余りの従業員アンケートを交え、若手・中堅・経営層メンバーと白熱した議論を重ねた。新たな企業経営理念は、経営層と従業員が一体となって考え出した旗印になると信じている」。

先見性と迅速な判断力を備える

 ニチレイの代表取締役会長に就任する大櫛顕也社長は嶋本次期社長について「先見性と、それに基づく迅速な判断力を兼ね備えている」などと次のように評価した。
 「ニチレイロジグループの経営者として、グローバル市場での事業拡大と国内物流ネットワークの拡充を力強く推進した。特に海外では駐在経験や国際的な視野を活かし、欧州、アセアン、中国と世界11カ国で物流プラットフォームを構築し、グループ業績の向上に大きく貢献した。経営企画・営業戦略部門では国内の人手不足解決に向けた次世代輸配送システム『SULS(サルス)』を展開するなど数多くの実績と経験を積み重ね、グループの成長をけん引した。2024年からはニチレイの取締役としてグループ全体を俯瞰し、企業価値向上に努めた。
 私はニチレイの企業理念や創業の精神、信頼という会社のアイデンティティを守り続けながら成長するためには、経営の枠組みや手法を常にアップデートして変わり続けることが重要だと思っている。経営者に求められる資質は先見性であり、それに基づく迅速な判断力。加えて、組織が機能するにはビジョンや戦略をわかりやすい言葉で言語化する力と、メンバーに寄り添う共感力が不可欠。嶋本新社長はこれらの資質を兼ね備え、次の変革が実行できる経営者であると確信している。グループの次の成長の要は食品事業と低温物流事業のシナジー創出。そのためのリーダーとして、全幅の信頼を持って彼に経営のバトンを渡す」。

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