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●鈴廣かまぼこ 鈴木新社長「人の鈴廣」へ 後藤美緒 (週刊水産タイムス:25/09/29号)石巻工場を来春稼働へ
また、「社員がさらにレベルアップするための投資こそが鈴廣の持続的成長と、地域や業界への貢献につながる」とし、人づくりや現場力、組織力の強化にも力を注ぐ。 鈴木社長は「現在は鈴廣の品質や歴史の長さなどを特に評価していただいているが、新たに“人の鈴廣”を掲げていく。人づくりを通して、社員にやりがいを感じて力を発揮してもらい、取引先から鈴廣と仕事をしたいと思ってもらえる、または多くの人に鈴廣の社員になりたいと感じてもらえるような企業にしていきたい」と展望を語った。 新素材事業を拡大、低・未利用魚生かす
近年、世界的な人口増加や気候変動といった環境変化に伴い「プロテインクライシス(たんぱく質危機)」の起こる可能性が指摘されている。これを背景に、同社は低・未利用魚を活用した新素材「さかなコンク」と「さかなプロコ」を開発し、今年3月から販売している。 「さかなコンク」は魚を丸ごと酵素処理することで旨みを濃縮。魚肉だけでなく頭や内臓、骨からも抽出してエキスにしている。添加することで最終製品の味に厚みを持たせ、旨みやコクをプラスできる。 「さかなプロコ」は魚を丸ごと使用した高たんぱく質で低脂質の粉末。魚の風味を生かした高たんぱく商品への活用を提案している。 同社はこれまでも魚肉ペプチド製品「サカナの力」「万能すりみパウダー」といった魚肉ねり製品以外の商品開発に取り組み、知見を蓄積してきた。 今回、「さかなコンク」「さかなプロコ」を含めた「鈴廣の新素材」事業として改めて位置づけた。長期的には本業であるかまぼこ事業と同規模の売上高(約100億円強)をめざして取り組んでいく。 これら新素材は成田工場(小田原市)の小規模プラントで製造しているが、2026年春には宮城県の石巻工場を新たに稼働。大規模プラントを導入して製造を本格化する。 現在は「さかなコンク」「さかなプロコ」ともに低利用の国産タラを使用している。石巻工場では地元で水揚げされた様々な低・未利用魚をはじめ、スリミ加工場や地元のかまぼこメーカーから出た加工残さなども活用する。 さらに、新素材の製造ノウハウをパッケージ化し、今後増加が見込まれる国内外の養殖業とセットにした取り組みも検討していく。 |
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