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この人に聞きたい:第1024回
(週刊冷食タイムス:26/03/31号)

新工場竣工、「4〜5年でフルキャパに到達したい」

昭和産業インターナショナルベトナム  丸山会長兼社長

 

 昭和産業100%子会社の昭和産業インターナショナルベトナムは、プレミックス新工場をベトナムホーチミン市フーミー3特別工業団地に建設し、1月に竣工した。丸山眞爾会長兼社長は「設立から4〜5年でフルキャパに到達したい。これから3〜4年が勝負」と語る。

 ベトナムのプレミックス新工場は昭和産業グループが「プレミックス事業のASEAN中核」と位置づける戦略拠点。4月から本格的な販売活動を開始する。日本で培ってきた製造技術と品質管理体制を導入することで、ベトナム国内と周辺国における需要拡大に対応し、グローバルバリューチェーンの一角を担う。
 現地で陣頭指揮を執る丸山眞爾会長兼社長は、ベトナムのプレミックス市場について「当社が進出を決めた背景に、人口1億人という市場規模と、外食・中食・加工食品の急成長がある。街を歩いていても、ポテンシャルを感じる」と語る。
 外食チェーンやベーカリー、加工食品の売場から、プレミックス需要の裾野が広がっていることを肌で感じているという。
 ASEAN展開の中でベトナムを選んだ理由については「治安や地政学リスク、宗教的制約などを総合的に勘案した結果」であり、さらに「ベトナムは社会主義国でありながら生活上の制約が少なく、市場規模も大きい」と述べ、最適解としての立地であったことを明かす。
 現地企業との合弁会社を運営していた経緯もあり、市場理解が進んだタイミングでの再進出となった。
 新工場は、昭和産業の国内プレミックス工場と「最終的な生産能力は大きく変わらない」規模で設計している。現時点ではスモールスタートだが、需要に応じて増強できる余地を残した。特徴は小ロット多品種生産に対応している点で、日本工場よりも最小単位を小さく設定し、試作段階から細かな仕様変更に応じられる柔軟性を備える。また、工場にはR&Dルームを設け、顧客が来場して試作・試食を行なうことが可能。製品設計から生産立ち上げまで一気通貫で伴走できる体制を整えている。
 商品開発では、ベトナムの嗜好に合わせた“現地化”が重要になる。
 丸山会長は天ぷら粉を例に挙げ、「日本人が思い浮かべる天ぷらと、ベトナムの方がおいしいと思う天ぷらは食感も色も違う」と説明する。日本式の“正しさ”を押し付けるのではなく、顧客の試食フィードバックを反映しながら、衣の色合いやサクサク感、油の乗り方など、現地の嗜好に合う配合を追求している。
 加糖プレミックスでは、ケーキやスイーツ市場の伸びに大きな潜在力があると見ており、今後の重点領域として位置づける。
 販路は当面BtoBに集中し、水産加工業者等メーカー、外食チェーン、ベーカリー・ケーキ店などを主要ターゲットとする。
 まずは10〜20kgの業務用大袋を中心に展開し、将来的には家庭用小袋製品の製造・販売も視野に入れる。ベトナムは水産加工が盛んな地域であり、同社のプレミックスを使用したフライ製品や惣菜が、欧米や日本、アジア向けの輸出品として広がっていく流れも期待される。
 将来的にはローカル中心の運営をめざす。「極力日本人の数は少ない方がうまく回る。将来の管理職候補もすでに数名いる」と語り、日本基準の品質管理と現地スタッフの自律的な運営を両立させる方針。
 今後の成長戦略について、「設立から4〜5年でフルキャパに到達したい。これから3〜4年が勝負」と語る。ベトナムにおける日系製粉・プレミックスメーカーの進出が相次ぐ中で、同社は小ロット対応力とR&D機能、日本基準の品質保証を武器に、差別化した提案で市場を切り拓く構え。
 昭和産業インターナショナルベトナムは、ASEAN市場の成長性を取り込み、グローバル供給体制を強化するための戦略拠点として本格始動した。
 日本基準の品質管理、柔軟な小ロット生産、R&D機能を備えた提案力を組み合わせ、水産加工、外食、ベーカリーなど幅広い領域での市場開拓を進める。同社がベトナムを起点に、プレミックス事業でどこまでASEAN・世界市場に存在感を示すか、今後の展開が注目される。

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