この人に聞きたい:第978回
(週刊冷食タイムス:25/04/15号)
惣菜工場での利用が急増
ユニフィラージャパン(株) 代表取締役社長 佐藤 徹氏
(さとう・てつ)食品機器会社に務めていた関係でユニフィラー社から日本法人設立の話を持ち掛けられ、「自分が惚れた機械を生業にしよう」と独立。事業は順調で設立時の資本金も買い戻し、今では100%自分の会社に。1964年4月生まれ60歳。
使い手を選ばない充填装置
カナダの食品機器サプライヤー、ユニフィラーシステムズの日本法人。同社の充填機・食品ポンプは「使い手を選ばず誰でも身近に使える」というコンセプトが的中して日本での販売も右肩上がり。特に惣菜向けの利用が増えている。
――ユニフィラーの充填機は製菓製パン向けのイメージが強い。
佐藤 日本法人は設立11年目ですが、近年は冷食用途の得意先も増えています。特に水産・食肉分野の惣菜で引き合いが多く、練り製品、海藻類、生珍味系などによく使われるようになりました。
――なぜ最近、製菓製パン以外の市場で頭角を現してきた。
佐藤 タフな造りで即現場復旧ができるシンプルな構造のため、ラインストップを回避できる利点が認められたのでしょう。エアーで動く仕組みなので丸洗いでき、分解・組み立ても簡単です。
――洗浄しやすさや使いやすさを謳う食品装置は珍しくないが?
佐藤 当社の装置の扱いやすさは別次元です。世界の食品工場で働く人は95%が女性ですから、機械に詳しくない人でも扱えなくてはいけません。マニュアルを読まなくても感覚的に分解・組み立てができ、もし間違った組み立て方をしようとしても、部品がはまらない仕組みになっています。
――構造的に間違いが起きない仕組みになっていると。
佐藤 そういうコンセプトで設立した会社ですからね。カナダで創業したユニフィラーシステムズはたった3人で設立したのですが、当初から「世界制覇」を狙っていました。しかし貧弱で複雑な機械だと頻繁に修理に呼ばれ、言語の障壁を超えるアフターサービスに多くのマンパワーを注がなくてはなりません。そこで、容易に現場復旧できる機械にしようと決め、それを脈々と継承しています。
――万が一壊れたら?
佐藤 まず壊れません。1カ所だけボールスイッチの摩耗で故障する部分がありますが、誰でも修理でき、数分で生産を再開できます。これはコンビニ向け等の生産を止められない工場にとって大きなメリットです。修理手順を電話で指示することもできます。実際、当社の社員は8人で日本全国に対応しています。事故が起きにくい設計も特徴で、機械に指を挟まれない構造は特許技術です。
――性能面では?
佐藤 ポテトサラダやキムチなどの充填は誤差2%以内。ノズルタイプは50以上あり、いか、たこなどの珍味にも使われています。今は圧倒的に惣菜向けの利用が多いので、今年のFOOMAジャパンではその点を熱く訴えます。