この人に聞きたい:第5回(週刊冷食タイムス:05/06/07号)五年間で生産性を二倍にする。
異業種から学び成果に――生産現場の仕事が長かった。 細見 工場現場の担当が長いですね。生産管理の担当で工場の生産性向上をしばらく手掛けました。今回、営業も含めて担当せよという任務。私にとっては降ってわいたような仕事ですが、高橋昌明事業統轄(常務)があまりの激務だし、その補佐として…。とはいえ、生販を一緒に統轄するのは簡単なことではない。そこで、実務は本社の各担当部長や支社長に委ね、私は生産と営業を束ねる役割と受けとめています。 ――生産性の改善が進んでいる。 細見 生産のコストダウンは永遠の課題ですが、継続することも大変難しい。目標を達成した後、さらに高いハードルが出されれば、工場長は抵抗する。自然ですよ。だから現場が納得する改善策を打ち出すことが大事です。この点で日水は工場長にクレーム、収支、安全の三本を改善ポイントにしていましたが、サプライチェーンマネジメントの取り組みになって社内の仕切価格制度を撤廃し、コストダウンの成果を評価基準とすることに切り換えました。当初は現場のモチベーションが下がるのでは、と懸念しましたが、実際には工場長がコスト削減を自ら考えるようになり、いい結果が見えてます。 ――米国ゴートンズも手本に? 細見 いい影響が出ていますね。ゴートンズの生産性向上が大きな効果を生み出していることをグループ全体で共有。「ツゥ(2)インファイブ(5)」、つまり五年間で生産性を二倍にしようと取り組んでいます。五年後に直営工場平均で一人一時間当たり三十七'、最終的には七十四'にしたい。米飯など装置化ラインなら難しくないが、全社平均で達成することが目標。全体最適の中で生産面の課題は生産性です。省人化、拠点の再配置も必要です。 ――自身の生産性向上は? 細見 同業他社工場に行ったり、自動車や日用雑貨の専門家から指導を受けたこともあります。勉強になりますね。指導を基に技術センターと連携して水の使用量を二割削減しようとしたら、初年度の昨年は18%減で億に近い効果でした。先端企業の考えを学ぶことは刺激になります。改善ではなく「改革」だと現場が理解します。その結果、専門家から「申し上げることはありません」と評価される工場も出てきました。
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