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この人に聞きたい:第6回(週刊冷食タイムス:05/06/14号)

介護食年間1億商材に。

(株)ニチロ 業務用食品部長
梅木 勉氏

<うめき・つとむ>
昭和48年入社。
22〜38歳まで開発部門。東京支社時代は「富山軍団」の一員。九州支社長を2年務め、4月1日現職。昭和25年生まれ、長崎出身、九州大卒。

今期は給食と惣菜攻め、7%増へ

ニチロの業務用食品で新しい事業の芽が育っている。今春スタートした介護食が年間一億円ベースに乗り、冷凍野菜も中国産ほうれん草を中心に伸びている。四月に現職に就いた梅木勉業務用食品部長は「給食と惣菜分野に力を入れ、今期7%増をめざす」と語る。

――前三月期の業務用食品は5・8%減、三百九億円だったが。

梅木 この十年以上を振り返り、前年割れは初めて。アイテムを整理しながら外食分野で意識的に落としたもので、内容は決して悪くありません。今期は再び攻めに転じ、7%増の三百三十億円をめざします。

――攻める分野は。

梅木 給食と惣菜です。当社はいわゆる外食産業の比率が五割近くを占めており、変動があった場合、影響を受けやすいのは事実。ですから成長マーケットである中食を中心とする惣菜分野の開拓が急務と言えます。それに介護食、医療食の分野にも積極的に挑戦していきます。

――生産面での新たなインフラ投資にも積極的だ。

梅木 前期に思い切った減損会計を前倒しで実施しましたが、一方で、国内外の生産関係で約百億円を投資します。しかも業務用食品が中心。すでに今春、中国に設立した合弁会社「煙台日露大食品」で業務用カップ商材(和惣菜)の生産をスタート。ユーザーの反響は良好です。

――今春から挑戦している介護食の反響は。

梅木 当社がトライしている介護食「やさしい素材」シリーズは、日本介護食品協会のユニバーサルデザインフード区分のレベル3。「舌でつぶせる」程度の優しい素材です。野菜、魚、肉、果実と幅広いラインナップが評価されています。病院や栄養士からセミナー開催の要請を受けて開く試食説明会も増え、四〜五月の動きでみると年間一億円を超える商材に育っています。

――その他で好調なのは?

梅木 新しい魚種として提案している「白糸だら」のフィーレ、切身、フリッター、骨なし魚の動きも良いですね。また、これまで少なかった業務用冷凍野菜が、昨年以降、独自のCCR(キャリア・コントロール・システム)管理した冷凍野菜を積極的に顧客へ説明提案してきた結果、大幅に伸びています。その中心が中国産ほうれん草で、昨年の販売実績の倍はいくでしょう。

――今年二月にタイのN&N社の第三工場が完成した。

梅木 N&N社は昨年、偶蹄類の輸出認可を取得。点心飲茶ラインの生産効率を考えながら、新しい提案を展開していきます。タイや中国など海外生産比率は現状で約30%、数年後には50%までもっていきます。

 

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