この人に聞きたい:第7回(週刊冷食タイムス:05/06/21号)自ら動き、現場の支援果たす。
60周年に向け礎築く営業本部長に就任した高嶋取締役は奥脇裕社長とともに伊藤忠商事から移り六年目。ヤヨイ食品では広報室長や経営戦略室長を務めてきただけに、まずは得意先回りに力を入れ、「現場の方からは要望や商売のヒントをいただけている」と手ごたえを感じている。 ――抱負を聞きたい。 高嶋 ともかくスタートダッシュ。昨年は下期に前年を上回るようになったものの、前半はずいぶんと苦戦し、通期売上げは前年比4%減の三百四億円でした。今期は一昨年を上回る三百二十億円突破が目標です。創業六十周年となる二〇〇七年度の段階には将来に向けたきっちりとした形を築きたいので、今年をしっかりとしないと三カ年の中期計画がだめになります。その意味で四〜五月は5%増と順調です。 ――今年からマーケティング部門が全社を先導することになった。営業本部長と役割がダブるのでは? 高嶋 それはないです。当社は今までもマーケティング先導で進もうとしてきましたし、いい商品があれば営業も楽です。マーケティングと連携してその利点をフルに活用するのが営業ですから。 ――今まで兼務が多かった。 高嶋 今も広報管掌を兼務しています。全てを100%はできないものの、ここだけは落としてはいけないところもあり、メリハリをつけています。広報管掌を残したのは私の希望。営業戦略と広報をうまくマッ ――奥脇社長は伊藤忠商事時代からの上司だが。 高嶋 社長は私に食品の営業経験がないことを知っていますが、各論はともかくヤヨイの行くべき方向性は解っていると信頼していただいているのでしょう。当社の規模ではトップセールスは社長なのです。得意先は社長がどんな男なのかを見ています。社長はそれに対してきっちりと答えを出していますから助かります。私の役割は社長だけでなく担当者にも会うことだと考えています。 ――営業本部長として方針は? 高嶋 各部署や拠点の長がそれぞれの役割を果たせるようにしたい。それには自分も動くことが重要です。目標突破には上積みしなくてはいけませんが、各地の底上げは出来ています。昨年苦戦した東北と九州もよくなっています。首都圏は実力から見ればまだ物足りません。前年比も大切ですが、本当の戦力はどのくらいあるのかを把握して戦略をたてたいのです。全体的には中食が伸びていても、地域によって給食がよかったりしますから、一律で見てはいけない。全社の方針を課長クラスにまで落とし込むことも大切。そうしないと末端営業マンのモチベーションが上がりにくいからです。
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