この人に聞きたい:第13回(週刊冷食タイムス:05/08/02号)「売上げ成長より利益成長をめざす地域分社でコスト意識が浸透」
横浜冷凍の今九月期の業績は二ケタ増収増益、しかも増配の見込み。「現場の要望を尊重し、現場自らが動き出しているのが結果として数字になっているのではないか」と吉川俊雄社長は分析する。物流設備投資に至る背景や社員の意識変化などについて聞いた。 ――ミッションは。 村井 新中期経営計画の目標達成です。今年は計画二年目でチャレンジ中。重視するのはネットワーク事業と地域保管事業。成長が期待できるのはネットワーク事業ですが、成熟事業である地域保管事業は売上げ成長よりも利益成長をめざします。 ――昨年はセンターを七つ立ち上げた。 村井 流通に積極的に出て行こうと考えています。今年も郡山、仙台で東北の有力スーパーのセンター事業を立ち上げます。センターを運営するのはロジスティクス・ネットワーク、コンペで仕事をとったのはロジスティクス・プランナー、そして輸配送業務はロジスティクス・ネットワークです。輸配送業務の分野を大きく伸ばしていこう、というのも新中期経営計画の戦略です。 ――今回の分社化で変化は。 村井 それほどドラスチックではなく、むしろ昨年四月の地域分社の影響が大きいですね。地域分社は大成功です。管理組織を小さくしたことで、各地域会社が独立法人として、きちんと収益をあげています。九州や関西の成功事例が今年になってだいぶ共有化されてきました。 ――傘下十三社との関係は。 村井 当社の役割はプランニングとモニタリング(事業支援)、営業面では広域対応。大手顧客に対する全国対応の窓口です。グループ各社が使う設備は原則、当社からの賃貸です。これもひとつの役割。全国的な情報システム系の対応もそうです。 ――ニチレイフーズの冷食物流を手がけている。 村井 需給調整や発注計画となると営業との絡みもあり、手掛けるのは単純ではありません。輸入荷物まで任せていただけるのかどうか、そういうデータをいただけるのかとなると微妙です。他のメーカーの物量をあわせることができれば、互いにコストメリットがだせるわけで、そういう仕事をやっていかなければと思っています。 ――今後力を入れていくのは。 村井 中国マーケットです。日本の人口が減少していく中、アジア市場でそれなりの投資を行い、事業を強化していきたいと考えています。また、ポーランドの冷蔵倉庫を昨年買収しました。ドイツの輸配送会社のテルモトラフィック・ドイツを通じ、ヨーロッパの広域ネットワークにつなげられればと考えています。
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