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この人に聞きたい:第18回(週刊水産タイムス:05/10/03号)

貝殻で人工魚礁を開発

海洋建設株式会社
代表取締役 片山 敬一 氏

「海のものを海に戻す」が信念。ホタテやカキの殻を、産業廃棄物から「豊かな海づくり」に貢献する魚礁へとリサイクルすることで。貝殻が微生物や小型動物の棲みかとなり、魚を育て、海を育んでいる。

 製品名は「シェルナース」。岡山県エコ製品、広島県登録リサイクル製品(第一種)、香川県認定リサイクル製品として認められている。

 「元漁業者」で、会社を立ち上げたのが昭和58年。漁業者自身が参加するプロジェクト事業であることからJF全漁連も全面的にタイアップ。エビ、カニ、ゴカイなど、魚介類の蝟集(いしゅう)効果が学術的にも証明され、実際に貝殻充填ケースに数多くの生物が着生している。

 そればかりか、貝殻充填ケースには藻類も付着しやすいことから、基質の隙間に根を巻き込み、海中林も形成。大自然の復元力に一番驚いているのは、実は本人かもしれない。

 良好な棲みかを与えられた魚たちも喜んでいるはず。貝殻に付着する餌料生物のエビ・カニ類は、同型の平面形状基質と比較して、沈設後12カ月で最大80倍、23カ月で最大294倍という結果も出て、関係者を驚かせた。

 「貝殻を利用した餌料培養基質の特性」「貝殻餌料培養礁の藻場造成機能」など、様々な分析・調査・研究成果が日本水産学会、日本水産工学会などで学術資料にも頻繁に取り上げられている。

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